処女ビッチですが、なにか? ~マジメガネの彼とビッチな私がいたしてしまうまで~
雪鰻
処女ビッチですが、なにか?
第1話 マジメガネとの出会いですが、なにか?
最初の出会いは最悪だった。
けれども、からかっているうちに楽しくなって、つい羽目を外してしまった。
とはいえタッチレベルや抜きまでだ。
ふと、そんなことを続けているうちに彼の真面目さに触れ、ちゃんと私を観て欲しいと思うようになった。
つまり、好きになってしまったのだ。
「いいよ、来て」
だから、あげることにしたのだ。初めてを。
好きになっちゃったんだからいいでしょ!
貫かれると熱い異物感が襲ってくる。
痛い。
けれども、その痛みすら深く私の記念に刻まれていく。
「大丈夫か?」
「大丈夫、よ、ビッチなめんな!」
ビッチな私に気を使うなんて、本当に彼は真面目だと思う。
私は心地よい痛みの中で振り返る。
彼との物語を。
時は六月に入り、制服も早々に衣替えした頃に遡る。
その日は、さすがの私も緊張していた。
ショーウィンドーのガラスに映る、胸元まで伸ばした茶髪な私はいつも通り可愛く、美人であるが、動きが硬く見える。
らしくない。
「なるほど、女子高生にもなって処女だとマウント取れないと。
大変だねぇ最近の子は」
「そうそう大変なのよ」
「おじさんとしてはそれでこうして役得出来るわけだから、嬉しい限りだが」
「ちゃんと払ってねー?」
「それはモチロン」
夕闇の町。
土曜日なのに制服な私。
手をつないだ先は好きでも何でもない、サイトで出会ったおっさん。
何回か会ったことはあり、話を聞いてあげるだけでお金も何度か貰っている。
続けるうちに手、口まではした。
マッサージだよ、いいね?
他にも何名かに同じようなことをしている。
女子高生はお金が化粧、友好費と色々かかるのだ。
あとこれが一番重要だが、してあげるとどんな男性も情けない声を出してくれるのは楽しいのだ。
「優しくしてあげるからね、ふひひ」
「締まりのない笑いはやめてよー。
引くわ、引く」
「すまないね、君みたいなスゴく可愛い真面目系ギャルとは初めてなんでね?」
「私は真面目なんかじゃないけどねー、ビッチよビッチ」
「そうかい?
肌は焼いてないし、何だかんだ気を使ってくれてるし。
スタイルもいいし、胸もでかい」
「褒めても何もないわよ?」
初めてを売ると決めたのは高値で買ってくれるからだ。
とはいえ、これで失うのだと思うと、少し寂しい気がした。
小さい頃に夢見たにはカッコいい男子と恋愛して、キスしてと、純粋だった。そんな幼稚な時の私はもういないのだ。
学校でもようやく金髪お嬢様を追い出し、カーストのトップに立ったのだ。
処女ぐらいで手放したくない。覚悟は決めている。やるからにはトップに立ちたいのだ。
最近、こういったことをする仲間内で処女を失った報告がちょくちょくあり、学校でもと焦りを覚え始めた。
「ちょっと待て、その茶髪、クラスメイトの初音さんかい?!」
「げ、マジメガネ」
っと、ホテルに入ろうとしたところ、止められた。
観れば、同じクラスの男子生徒だ。
名前は憶えていない。
丸眼鏡が印象的で女子での通称はマジメガネ。
真面目と眼鏡の組み合わせだ。
風紀委員に所属しており、口うるさいのだ。
しかし、入学テストで委員長に勝てなかったため、見掛け倒しという印象もある。
「初音さん、如何わしい事をしようとしているのではないか?
風紀委員として観てしまったものは止めないと」
初音。私の苗字だ。
某ボーカロイドとは関係ない。名前もそう読めるが、全く関係ない。
「あのー、マジメガネ、かんけーないっしょ?
何、京都市内まで見回りですか?
まじめすぎ」
「毎週土曜の塾帰りなんだが……。
流石にクラスメイトが如何わしいホテルに入ろうとしたら止めないわけにもいかない」
「ウザ……」
しかし、正論だ。
このまま、ホテルに入ったら通報される流れだ。
困った。
どうしたものやら。
「いや、道を教えてもらっていただけだ、ワシは。
ありがとね!」
「ちょ、なにいって……あー、いちゃった!」
と思ってたら、オッサンが逃げ出していた。
情けない。
「あー、もう、処女散らす覚悟決めてきたのに。
どーしてくれんのよ、マジメガネ」
「処女ってお前……!」
「言い方悪いって?
バージンよバージン。
何赤面してんの?
ははん、マジメガネは童貞ですか?」
自分の処女を棚に上げつつ、にじり寄ることにする。
「ウリウリ、女の子柔らかいでしょー?」
「ちょ、おま、やめろよ!
「ほらほらー、同級生のなんて触る機会ないんでしょー?」
おっぱいを押し付けてあげると、赤面している。
可愛いなぁ、童貞だ、これは。
どちらにせよ、こいつの口は止めておかなければならない。
「聞きたいんでしょ?
何してたか?
ファミレスおごってよ、ファミレス」
「判った。
しかし、ちゃんと聞かせてくれよ」
「それはモチのロン。
あんたが赤面して逃げなきゃね?」
とはいえ、タダで済ますつもりはないのだ。
四条河原町内を移動して、イタリアンチェーンのお店へ向かうことにした。
これが私と彼の最悪の出会いだった。
そして運命が大きく変わった瞬間だった。
―――――――—―――――――—―――――――—―――――――—
一番最初の一話のあとがき
l´・ω・`)こうして、ボーイミーツガールが始まりました!
l´・ω・`)応援してもいい、続きが気になる、初音がもっとみたい方、★★★やフォロー、感想を頂くとやる気があがってきばります!
l´・ω・`)やらしくおねがいします!
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