第45話 蓮



蓮の根が泥の中に沈んでいる


いくつもの節が無秩序に手を広げ


沈んでくる者を受け止める為に


根を伸ばす



僕が沈んでも、そこに根はない


どこまでもどこまでも僕は沈んでいくだけ




自分には差し伸べられ無いそれが


欲しくて欲しくてたまらない


どうして僕にはないの


どうして僕を助けてくれないの



僕が傷塗れだから


僕が失敗作だから



欠陥品は要らないんだろ


言われなくても分かっている


だからこうして文字にして


自分に思い知らせている



僕を救う神様は


どこにも居ないと知っている


このまま沼の底まで行けば


僕は朽ち果てられるのか


それとも苦しみ続けるのだろうか




このまま誰も居ないところへ行きたい


そうすれば孤独を感じず生きていける


沼に 沈んで 永遠に眠っていたい


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