第16話 橋



耳が痛くなるほどの静けさに


孤独が染み込んでくる



沈黙の月夜に


闇を濃く映して



ドアを静かに開けて


後ろを振り返りながら歩く


そこに誰も居ない事を確認すると


歩みを速めた






ヘッドライトを見下ろして


冷たい鉄の手摺りに触れる



僕の顔を照らす光が近づく度に


決心は揺らぐ



君の元へ行けるだろうか


否、君には逢えないだろうか



そちらへは行けないだろうか


僕の世界と君の世界は

 

繋がってくれないだろうか





何度も諦めろと声が聴こえた


無理な事だと言っていた


嗤っていた


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る