第177話 球技大会の結果
午後になって残りの試合を消化する。とはいえ、バスケは午後の最初の試合で俺のチームは本気バスケ部ガチガチの三年のチームに負けたけど。センターのめちゃくちゃガタイいい先輩が厄介だった。近くのシュートは全て無意味だったしリバウンドにも強くて相手にならなかった。
そしてポイントゲッターの先輩がとにかく速い。ボールを受け取ってから鮮やかに五人抜きで決めに来るしフェイントも上手く流石に素人同然で勝つには無謀過ぎた。まあ、琥珀にはカッコイイところ見せれたしこちらは満足してるので問題なし。ただ、ポイントゲッターがバスケ部の部長だったらしくて勧誘されて面倒だった。琥珀との時間削ってまでスポーツする気は無いよ。
サッカーの方は運良く1回勝てたけど、あと一試合で決勝というところで三年スタメンガチガチのチームに完敗。まあ、それでもかなり接戦だったけど。
「流石に先輩達は偉大だね」
そうサッカー代表のクラスメイト秋山は笑ってたけど、試合中あれだけ先輩に食らいついてむしろ凄すぎだよ。
「エースっぽい人と因縁とかある感じ?」
「まあね」
きっとスポーツ漫画的な何かあるのだろう。イケメンでスポーツ上手い人は凄いものだ。俺?俺はただの体力が少しあるだけの琥珀の王子様だよ。王子様と自分で言うのは抵抗あるけどそうあれるように俺は自分を磨くのみ。
「くっそー!まさか決め球が打たれるなんてー!」
そして午前中にまさかの負けをした野球の友人川藤はまだそれを嘆いていた。あれは自業自得だろうに。ストレートで無理に小細工せず勝負してれば勝てたのに「決め球できた!」とか言って舐めプした挙句に打たれまくってそれが響いて負けてるんだからさ。そんな友人に一言。
「知ってるか?戦犯者は切腹で許してもらえるそうだ」
「ハラキリは勘弁!」
「ならよし。みんなー!負けたお詫びに川藤が皆に焼肉奢るってー!」
「暁斗!俺の財布ちゃんをいたわれよ!」
可愛くないものはいたわれないよ。まあ、そもそも琥珀以外可愛いものなんて存在しないけど。
「お、今日一の戦犯者が自首か〜」
「いいね!皆でこの後行こうぜ!」
「「「「おー!!!!」」」」
「ちょ!お前ら俺の財布はそんなオールビッチじゃねぇのに!?」
賑やかなクラスメイト達を後にして、俺は荷物を持ち教室を出る。琥珀を迎えに行って一緒に帰るためだ。川藤の金で食べる焼肉は不味そうなので遠慮しておく。エロ本とか転売して稼いでそうだし。そんな偏見まみれの思考は琥珀と会うと自然と消える。この子は聖なる力で俺の悪しき心(川藤など)を消してくれるので本当に聖女様か天使様だね。そんな感じて球技大会、クラスマッチは幕を閉じた。結論、琥珀の弁当は世界一です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます