カメ

中3の時の話。


私の所属していたクラスでは、手のひらに収まるくらいのサイズのカメを飼っていた。

ちなみに担任のペット。多分ミドリガメ。


後ろのロッカーの上に置かれた水槽の中で飼われており、生徒から非常に可愛がられていた。


話は変わるが、私の通っていた中学校では、終学活で一分間黙想するという習慣があった。


その一分間は、ほぼ無音になり、時計の針の音しか聞こえなくなる。はずだった。


私のいたクラスだけ、「黙想なんぞ知るか」と言わんばかりにカメが動き回っていたので、水が跳ねる音やら、甲羅が水槽にぶつかる固い音やらが後ろから聞こえてきていた。


可愛いけど、黙想には一切集中できなかった。

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