第6話 前
「あらためまして」
「先ほどは、たいへん失礼いたしました」
上司と同僚。誠意を示すためなのか、部屋のすみっこで正座している。
「いやあ、ほんとごめんなさい。紹介します。同僚と上司です」
「同僚です」
「上司です」
正座したまま受け答え。ずっとそのままでいるつもりなのか。ってか同僚下履けよ。なんでいつまでも履いてないんだよ。
「すいません。そそっかしくて」
「あ、あの。お三方は、その、どういう関係で?」
「一緒に寝て、一緒に起きて、一緒にお風呂入って、一緒に仕事する仲です」
「あ、えっちなはなしのほうですか」
「正座勢は反省してください。立ち上がるな。下を履け」
「はい」
「ごめんなさい」
遂に同僚が下を履きはじめた。イケメン。ようやく安心した顔になる。
「で、個人的にゲームということですが、この二人はもうしばらく足がしびれるまで正座させておきますので、安心してください」
「はい。ありがとうございます」
「ラップトップは4台あるので、その一番端のをお使いください。予備機です」
イケメン。席について、ゲームを起動させる。
「プライベートで、1on1。よろしいですか?」
「はい。大丈夫です。よろしくお願いします」
ゲームを起動させて。
キャラクターと武装を選んで。
戦闘開始。
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