第2話- 洗面台

古い旅館の離れに通された、部屋の隅に申し訳程度の洗面台が付いている。


荷物をおいた彼女が顔を洗いにでも行ったのだろう、すると洗面所からキャーと叫ぶ声がした。


"なんだ?黒い髪の毛でも出てきたのか?"


"違うのよ"


見ると金髪になった彼女が水差しを持って立っていた。


"使ってみる?"

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