自〇警備員

 僕の狭くもない部屋

 脱いだ服が散乱して

 半開きのカーテンと

 左側の切れた白熱灯

 閉じた窓の隙間から

 ひび割れた音が続き

 よどんだ緑色の背景

 ゴシック体の並びが

 スクリーンセーバーに変わる


 扉の外では

 凶暴な水の流れが命を食い尽くしている


 僕は扉を開けない

 あけることはない

 それは何度となく見た夢の話

 おびただしい街のほんの片隅

 僕は警備員

 膝をかかえて

 眼鏡越しの眼だけで

 睨みつける

 言葉だけを深く

 深く

 遠い海に

 今日も

 呑ませる

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