09 荷台、ついに空へ.

「荷台でしか入れないところ、倉庫のなかとか、行けないですか?」


「入り口が広いのでパトカー入ってこれますうわあああ」


「ううん、じゃあ、どうしようかな」


全速力で走る荷台。


「それにしてもすごいな。パトカーと同じぐらいの速度出てますね、この荷台」


「あの。はやいところ解決策を出してくれないと私の体力が切れますっ」


「そうだな。屋根に飛び乗りましょう」


「えっむり。袋が二つあって重すぎます」


「このままの速度で。あの、倉庫の角に」


最初に男の人を見つけた第3倉庫に。帰ってきた。あせだくで、全速力で。


「僕が跳んで、最初に会ったところであなたと荷台を跳ね上げますので」


「え、跳ね、え?」


「行きます」


荷台に衝撃。


目の前に男の人。


「ぶつかるっ。ぶつかりますっ」

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