第111話 潜入は不可能
機動隊の一部は玄関以外からの侵入を試みていた。
「こんだけ広いんだ、セキュリティに穴は絶対あるはずだ!」
「部隊長、こちらから侵入出来そうです。」
「でかした、行くぞ!」
「うわぁ!」
「足が!」
機動隊員は足を鎖にとられ木ノ上に吊るされていた。
「なんとたわいのない。」
「誰だ!」
「我等は百地、若に忠誠を誓う者よ!」
「俺達を解放しろ!」
「くくく、なぜ?若の暗殺に来たのであろう、お主らはこのまま海の藻屑になるのだよ。」
「俺達を殺すのか?」
「さあ、どうするかのう。」
「俺達は警察だぞ!」
「だから?若を殺りにきたのであろう?」
「た、逮捕するだけだ!」
「嘘を言うでない、既に録音は出来ておるわ。」
「い、いやだ・・・死にたくない。た、たすけてくれ・・・」
「見苦しいのぅ、じゃが優しい若はのぅ、こちらに従順なものは生かしてよいとおっしゃられておる、どうするかのう。正直に証言してくれるなら助かるかものぅ~」
「言う、言うからたすけてくれ・・・」
「ふむ、お主だけか、助かりたいのは?」
「お、おれもたすけてくれ、命令に従ってきただけなんだ!」
「おれも!」
侵入を試みていた隊員は全員百地衆に捕獲されていた。
機動隊を捕獲した後、カエデに報告にきていた。
「お嬢様、潜入しようとしていた輩を捕縛いたしました。ついでに供述も取りました。」
「ご苦労さま、さすがは柘植ですね。あいかわらず鮮やかな腕前、お見事です。」
「はっ!ありがたきお言葉。」
「引き続き、警戒を頼むぞ。」
「お任せあれ。」
カエデの前から姿を消した。
「カエデさん?今、人がいなかった?」
「ミウさん、いましたよ。屋敷を警戒しているものです。リョウさまを守る為に多数の百地衆が来てますから安心してください。」
「そ、そうなんだ。」
「はい、リョウさまに為にみんな頑張ってくれています。まあ、穏健派の警察庁長官がこちらに向かってるとの情報がありますのでそれまで守れば事態は終息すると思いますので、騒がしいのも後少しですよ。」
「どうやって調べているの!」
「これは関東の風魔さんからの連絡ですけどね。各所に忍び込んでいますよ。」
「現代でも忍者っているんだね・・・」
「見えない世界もあるんですよ。」
「うー、なんでこんなややこしい人までリョウくんは引き付けるのかな・・・」
「それはご本人に聞いて見てください。私だって知らないうちにリョウさまの周りに女が増えていてビックリしたんですから。」
「私は昔からいたよ!」
「知ってますよ、でも、子供として相手をされてましたよね。」
「うっ!で、でも今は婚約者だもん。」
「はい、私はそこを争う気はないですよ。私はリョウさまの子種をいただいて、お側に置いていただければそれで充分です。」
「子種!ってそんな、女の子が言うのものではないと思います!」
「はい?私は一度してますし、リョウさまも男の子ですから。スッキリしたい時もあると思うんですよ。それなのに周りは子供ばっかりで困っているはず。」
「だ、だって、リョウくんは高校生に手を出してくれなくて・・・あれ?カエデさんはいくつなの?」
「二十歳ですよ。でも、私がしたのは五年前ですから十五の時でしたね。」
「えーーー、なんでリョウくんが高校生に手をだしてるの!」
「リョウさまも若かったし、仕方ない事情もあったんですよ。」
「うう、気になるよ。」
「そこはリョウさまにお聞きください。でわ、そろそろ私も警戒に戻ります。リョウさまの看病は姫様とお願いしますね。」
カエデはミウの万江から姿を消した。
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