歳の差の花嫁

第47話 ナンパに誘われる

カズヒコから逃げきり部屋に戻るとヒトミは仕事の都合で帰ったらしい、変わりにマイちゃんが増えていた。

「マイちゃんいらっしゃい。」

「はい、リョウさん来ちゃいました。はい、差し入れです。」

紙袋に入ったスイートポテトを受けとる。

「あれ、手作り？」

「はい、まだ練習中ですけど良ければ食べてください。」

「ありがと、夜食がわりに食べるよ、」

マイちゃんと仲良く話していると

「なぁリョウ、その子も知り合いなのか？」

「ああ、ダイキそうだよ。可愛いらしいだろ。」

「可愛いな・・・なんでお前ばかり可愛い子と知り合いに馴れるんだ？」

「いや、なんでと言われても。たまたま？」

「先生！俺にもその技を伝授してくれ！」

「ダイキ？何を言ってる？」

「いいだろ、すぐに美少女を捕まえるお前のワザを分けてくれよ～俺も美少女の彼女が欲しい。」

「いやいや、技なんてないからな。普通に暮らしてるだけだよ。」

「嘘だ！そうじゃないと可愛い子と知り合いになることもないし、ましてや惚れられる事なんてない！」

「そうかなぁ～」

「よし、今度ナンパに行くぞ！そこで俺に教えてくれ。」

「ダメです！」

マイちゃんが俺に抱きついてくる。

「リョウさんはナンパなんてしません！そんな時間があるのなら私と・・・」

マイちゃんは恥ずかしいのか最後の方は小さな声になっていた。

「ダイキくん、リョウは私とデートで忙しいからナンパは出来ないの、諦めて！」

ミウははっきり断っていた。

「ミウちゃん、武士の情け。俺も美少女の彼女が欲しいのだよ。」

「おあいにくさま、これ以上リョウくんの周りに女が増えるのはイヤなの！」

「なあ、なんでナンパが成功する予定なんだ？俺はそんなにモテないよ？」

「リョウくん？目を離した隙にマイちゃんを落としたのもう忘れたの？ヒトミさんやアズサさんもいるし、あんなに浮気はダメっていってるのに！」

「いや、浮気はしてないよ！」

「ミウちゃん、苦労してるね。」

「ダイキくんわかる？わかってるのならナンパに誘わないでよ。」

「それとこれとは話が別♪たまには男友達で遊ぶのさ。」

「遊び方が問題なの！」

「まあまあ、せっかく東京に来たんだから、アンナイ シテモラウ ダケダヨ。」

「嘘臭い！」

「ダイキクン、ウソツカナイ。」

「ミウ、落ち着いて。ナンパはともかく遊びにはいこーぜ！」

「おう、男同士たのしもーぜ。」

「あ～不安だよ。」

「まあまあ、ミウさん。リョウさんも友達と遊びたい時もあるでしょ？」

「マイちゃん！甘いよ、ダイキくんはタチが悪いの、ホントにナンパしかねないの。マイちゃんはリョウくんのナンパを許せるの？」

「むむ、ナンパはダメです。リョウさんに似合いません。」

「しかも、リョウくんはね、確実にその子を落とす傾向があるの。」

ミウはマイを見る。

「わたし？」

「そう、声かけられて落とされたよね？」

「えーと、はい。」

「これ以上は増えて欲しくない。わかるよね。」

「わかります。」

「リョウくん！ナンパなんて・・・あれいない？」

リョウはダイキと一緒に逃走していた。

中庭に設置されてる自販機でコーヒを買い、飲みながら二人ではなす。

「ダイキ、ミウをからかうなよ。」

「わりぃわりぃ。」

「後で大変なんだぞ。」

「ベッドで慰めてやれよ。一発だろ？」

「バカタレ、高校生に手が出せるか！」

「ミウちゃんは待ってぞ、据え膳食わぬは男の恥だ。」

「それで、結婚までの道が確定か？」

「人生の墓場に行ってこい。」

「まだ、早いだろ。あれ？お前アズちゃん側についたんじゃないのか？」

「うん？俺はお前の味方、そりゃ報酬もいいからデートはしてもらうがドコの墓場を選ぶかはお前の意思を尊重するよ。それまで稼がしてもらうけどね。」

ダイキは笑いながら言った。

「結局、アズちゃんも裏切るってか？」

「俺は呂布だからな。」

二人して笑っていた。

「まあ、上京してきたんだ。これからもヨロシクな悪友！」

「ああ、また悪さしようぜ、兄弟！」

俺達はハイタッチをした。