第40話 マキ、記者を相手に・・・
記者会見の翌日。
山中研究所は荒れていた。
抗議の電話は鳴り止まず。
株価は大暴落、支援者からも打ちきりの話が多数きていた。
「なんでこうなったんだ!」
トオルは頭を抱えていた。
「所長、どうしますか!このままでは研究所自体持たなくなります。」
「わかってる!少し考えさせてくれ。」
トオルは深く考える。
西園寺グループ、源グループが敵対してきてる以上それ以外の所に支援を持ちかけるか?
幸い新薬はある。生産さえ出来ればなんとか建て直せるはず。
じゃあ、どこに頼む?
今の報道の状況だと、ボクを支援してくれる所は国内に無いだろう、海外なら?
そこまで考えると行動が決まった。
「岩屋くん、こうなったら海外に支援者を求める。以前パーティーで知り合った人から紹介してもらったレオンに支援を求めようと思う。」
「レオン?バーク財閥のレオン・バークの事ですか?」
「そのとおりだ、今から事情を説明して、会いに行ってくる。研究所はしばらく任せる。」
「わかりました。支援が得られれば、研究所の再建もなるでしょう。」
「頼んだぞ!」
トオルは連絡をとった。
向こうは乗り気になってくれたみたいで、すぐ会ってくれる話になった。
しかも、近々日本に用事があるらしく。日本で会う時間をとってくれた。
「岩屋くん、これで我々は助かるぞ!」
「やりましたね。所長!」
「ああ、やはり研究成果は何よりも強い、後は来日を待って会いに行くだけだ。」
トオルはその日が待ち遠しかった。
トオルが未来に希望をもってる頃、山中家では記者の取材が加熱していた。
外に出た、マキにマイクを向け。
「なぜ、あなたは逮捕されないと思いますか?」
「人を殺しかけた事についてどう思いますか?お気持ちをお聞かせください。」
と質問を投げ掛けてくる。
マキは何も言わず、家に戻ろうとすると、
「おい、犯罪者なんか言えよ!」
とヤジがとぶ!
マキはカッとなって反論してしまった。
「誰が犯罪者ですか!」
「あなたですよ。」
「私は罪になるような事はしていません。」
「あなたは人を道路に突き飛ばしても罪じゃないと?」
「娘を助ける為です。娘はケガをしたんですよ。」
「では、そのケガの具合を教えてもらえますか?」
「そんなのは関係ないでしょ!娘は泣いていたんです!」
「被害者の方は入院なされたとの事ですがその事はどうお考えですか?」
「彼は大袈裟にしてるだけです。きっと慰謝料目的でしょう。」
「重症だとの情報もありますが?」
「知りません、娘がケガをしたんです。私は何も悪くない!そもそも、謝罪には行きました。向こうが謝罪を受け入れず追い返したんですよ!これ以上何をしろと言うの!しかも、向こうはユミをケガさした事に謝罪しないのよ!おかしいでしょ!ユミは痛くて泣いていたのよ!」
マキはヒステリックにわめき散らしていた。
「しかし、向こうは重症で娘さんはケガらしいケガはなかったと聞きますが?」
「娘は泣いていたの!なに?あなたはあの男のケガと娘のケガに差があるのがわからないの!」
「あ、あると思いますが・・・」
「そうあるの、娘は未来ある子なの。枯れてる男のケガと比べてどっちが大事かなんて考えなくてもわかるでしょ!でも一応ケガさしたから謝りに行ってあげたのに、あの男は!」
記者も困惑していた、ケガをさせておいてこの発言はない、いったいこの人は何を言っているのだろうと。
「では、娘さんのケガの方が重いと?」
「ケガの度合いじゃないの!誰がケガをしたかなの?うちの娘と彼だと比べるまでもないでしょ。」
あまりの宣言に記者は黙り込む、
「わかってくれたみたいね、今後の報道は注意してもらえるかしら。」
マキは言いたいことを言って家に入っていった。
記者は急ぎ、局に戻り報告した。
『今の世に身分差!』
『科学者の娘のキズは一般人の命より重い!』
翌日の新聞は一面、マキを非難する記事でいっぱいだった!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます