09
印刷製本作業専用部屋、通称ワークルームに集まったのは、ちょっとアレなメンバーだった。
アレとは、定年間近のおじさんや、やたら馴れ馴れしいおじさん、挨拶もしないぼーっとした人、現場上がりの強面。
ちょっともしやこれは各部署いらないメンバーが集められたのでは?なんて勘ぐってしまいたくなるような個性的な人員だ。
女子は私だけ。
しかも私でかなり平均年齢下げてる感じ。
そこに颯爽と登場したのは、イケメンエリートリーダー木村さんだ。
ヤバイ、木村さんだけオーラが違う。
何だか神々しい気がするのは気のせいだろうか。
「皆さん自分の業務がお忙しい中、集まっていただきありがとうございます。今回このワークルームを取りまとめることになりました木村です。」
木村さんは丁寧に挨拶をすると、全員を見渡してニコリと微笑んだ。
ここに女子がいたら、一瞬で木村さんの虜になっていたに違いない。
いや、私も女子だけど。
爽やかすぎて眩しい。
このおじさんたちに囲まれていても負けないオーラがまさに芸能人。
ありがたくて思わず拝んでしまいそうになるのを必死で堪えて、私は木村さんの話に耳を傾けた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます