34 進化後に分かった色々なこと
《種族:マンドラン(変異種)》
《名前:なし》
《称号:【
《攻撃力:23》
《防御力:26》
《魔法力:17》
《俊敏 :36》
《知力 :102》
《器用 :83》
《幸運 :9》
な、何事!?
今までの私が数値化できていたステータス表記から、大幅に進化してるじゃん!
というか、幸運値低っ!
……
…………
………………いや、うん。
これは、アレだ。
思い当たる節が多すぎて、うん。
逆に幸運値が高かったらそれこそ告訴モノだったな。
フッ、命拾いしたな。
称号に各種ステータス、それと上部にある馴染み赤青黄の三色ゲージ。
っていうか、私は変異種なんだ。
こんなにステータス表記が増えたってことは、森さんのレベルも上がっているんでしょ?
教えてー、森さん。
変異種って何ですかー?
《解:通常個体の変異変化した存在です》
そのまんまか。
んー。
森さん曰く私が白色になったのは称号の【
だよね?
《応:了》
ってことはだよ、本来であれば大根じゃなくて大ワサビになっていたってことかな。
別に大根が嫌な訳じゃないんだよ。
でもさ、根が手と足のように別れて点が三つ顔のようにある大根ってどうよ?
ワサビでも似たようなモノだけど、見慣れてるというか馴染んだと言うか。
ダメ元だけど、そもそもマンドランの通常種ってなんなの?
《解:マンドラン》
《葉に群青色の鈴蘭を咲かせ、根には毒を持つ自立型植物》
《普段は地上を歩くか地中で身を潜めている》
《無理に引き抜くと絶叫するも我慢できるレベル》
《希少な薬となる材料》
”根です”じゃなくなってる。
すごい急成長だ。
所々、”我慢できる”だの”材料”だの引っかかるところはあるけど。
でも、そういうことか。
私は軽く咳払いをして、再び口を開いた。
「ア゛〜ア゛〜〜♪」
やっぱり声が出る。
発声器官がどうなってるとか気になることはあるけど、少なくともこの声は種族として必要だったから出せるようになったと見て良いでしょう。
森さんの今のレベルっていくつ?
《解:ユニークスキル【森羅万象Lv.3】》
そっか、3か。
こんなに急成長したのに思ったより低かった。
そういえば素数だね。
私、素数、好きよ、なんとなく。
……ん、待てよ。
ここまで正確に数値化できるってことは、私のことはかなり理解できているのでは?
良い加減に私が所持しているスキルを把握しておきたいところだ。
森さんみたいに生まれると同時に獲得した、もしくは進化時に聞き逃した数々のスキル達。
進化して強くなったわけだし、スキルの効率いい熟練度上げを始めたい。
そして、安定した生活を送りたい。
ということで、森さん!
《解:不明です》
「ヂッ!」
私は精一杯の舌打ちを鳴らした。
まだ”
じゃあ、表示されている称号については分かるよね!
それから、私は森さんを質問攻めにして、今分かる範囲で状況を整理した。
まず称号について。
【
別世界から迷い込んだ存在。
魂の形を記憶している。
——元人間の私の進化候補に人型のプチマンドランが出てきたのは、この称号が影響している可能性がある。
【
残虐非道に対する抵抗が無くなった存在。
禁忌に足を踏み入れる可能性がある存在に贈られる。
——本当に意味不明。しかも贈られるって……。
【
陽の気や明るさを不要とする存在。
陰を操り、支配し得る可能性のあるモノ。
——私が変異種(白)となった原因、らしい。
【
生きる覚悟を持ちつつも生態系において弱者となった存在。
耐性系統のスキル取得/熟練度上昇速度増加。
——思った以上に使える称号でした。
【
全てを喰らう存在。
禁忌に足を踏み入れる可能性がある存在に贈られる。
——これまた
と言うのが、称号について現状分かることである。
もうため息しか出ないのよ。
例えば、どうやら私は残虐非道に対する抵抗が無いらしい。
そんな訳ある?
何度も言うけど、数十日前までただの女子高生よ?
マジやばくね。
しかも、5個中2個が。半分近くが禁忌に足踏み入れるかもだって。
禁忌、厨二心くすぐる響きだけどそれはそれだよ。
マジやばくね。
そして最後は、
陰を操って支配できるだって。
フヘ、グヘヘへへへ。
マジやばくね!
ってことで、影操作やってみよう!
私は鉱石による僅かな発光によって生まれた足元の影に触れた——が、影の端の爪の先くらいがピョコと左に折れ曲がって終わった。
知ってたし。
こんな言い訳ばっかりしている私は、果たして本当に影を支配できるのだろうか?
そして、自分で言うことじゃないけどこんな私が本当に禁忌に触れそうなのだろうか?
次に寝るまでの間、この疑問が私の頭から離れることはなかった。
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