黒崎伊音著『あなたの星は琥珀色』

 こんにゃー水銀あんじゅです。今回はツイッターで募集した企画、#RTしたあなたの小説を12星座に当てはめます。をやっていきます。企画の都合上、ネタバレの恐れがありますことをご了承ください。

 今回は黒崎伊音さんの幻想文学FT作品です。


作品概要

 生まれつき病弱だが、町一番の貴族の一家に生まれた娘リザヴェーダは、とある病院に入院していた。しかし母が娼婦だという理由から、そこの看護師たちにすら嫌われていた。

 ある日リザヴェーダの個室に看護師たちがやってきて、空き部屋がないから個室だけれども、相部屋になるようにといった嫌がらせを受ける。リザヴェーダは、とある少年と一緒に入院生活を送ることになり? といった幻想文学FTです。


主人公の12星座イメージは?

 リザヴェーダは、基本的には人の目を気にしてアクションを起こしません。それはこの一文からも分かります。


 もちろんそれがまっかな嘘であることを、リザヴェータは病室で培った嗅覚で嗅ぎ取っていた。病院には他に空き部屋がないわけではない。あの部屋とあの部屋とあの部屋が空いている、とリザヴェータは知っている。

 だが、彼女たちの間でリザヴェータの部屋の移動は、すでに決定された事項であった。


 このように、嘘だと分かっていても指摘しないのです。それは自分の境遇とそれに類する外見にコンプレックスを抱いているからです。

 しかしこの場で、何が起こっているかは把握しています。とても人の目を気にしていて、病院でも療養に専念出来ていないのだと分かります。そこからTPOを意識する天秤座のように思えました。


主要舞台の星座イメージは?

 舞台は病院です。生活するうえで絶対になくてはならないもので、命を守るうえで大切な物の一つです。そういったライフラインに関わるものは乙女座です。乙女座は物事の管理や、バランス。そして人々に欠かせない手助けをするという意味があります。

 この手助けというのは、責任感や義務感からくるもので、情からといったものではありません。看護師たちも嫌がらせはしますが、最低限のことはしています。そこからも仕事だから行うという、消極的奉仕ともいえる姿勢が垣間見えます。

 リザヴェーダはこの病室で少年と関わるうちに、心の健康を取り戻していくことになります。


文体の星座イメージは?

 この作品は人物の言動の描写が多いです。それは行動そのものだったり、五感に関わるものだったりと、人に携わるものです。

 アクションともいえる行動は牡羊座、五感に働きかけるものは牡牛座、そんな管轄にもあてはめられます。ここはリザヴェーダが今までしてこなかった、人との交流に対する新鮮さともいえるでしょう。そのため人との交流を大切にする天秤座といえそうです。


まとめ

 この作品全体のテーマとしては星がキーワードです。星自体は本当に遠い場所、未知の空間を指す射手座や、科学で理想を追求する水瓶座でもよさそうですが、この作品では、幻想やロマンや芸術性、そして夢を象徴する魚座でしょう。なぜならこの星自体が、主人公のリザヴェーダに、これから現実になるであろう、希望が感じられる未来を象徴するものだからです。


素敵な作者さん情報

黒崎伊音さんは、エブリスタと小説家になろうを中心に活動しています。


次回予告

次回は、秋桜(あお)さんの『キミが消える未来(あした)から』の予定です。


この企画について

企画の進捗についてはツイッター内のハッシュタグ、 #RTしたあなたの小説を12星座に当てはめます第一弾進捗 をご覧ください。

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