多分私は悪役ポジの側近
あん子
第1話 私誕生
そこで私は思い出した。自分が酒井玲夏(さかいれいか)という人間以前にも、人であったことを。
真っ白な部屋。中央にベッド。
ベッドの周りをぐるりと取り囲む人々。
白い布を顔にかけられたお母さんを見て静かに泣く私を強く抱きしめているお父さん。その手は震えていた。
ごめんなさい。ごめんなさい……。
お母さんで頭をいっぱいにして悲しまなければならないのに、向き合わなければならないのに、それが出来なかった。
自分のこの小さな脳は、何故今それを思い出したのだろう。
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