君との思い出をここに記そう

辺伊豆ありか

第1話

9月9日


そうだ、君はあまりにも強烈な女だった。本をめくる時に、文字が濃いと裏に透けるだろう、君は僕の日記に、そんな風に濃く印された。次のページをめくってもうっすらと残り続ける。表の文字さえ読みにくくなる。

君との思い出が僕の人生を、少しだけ嫌に小突いてくる。

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