第28話叩けば高い音が鳴る事だろう



高城と関わり合いが出来、少しずつ忘れて行っていたのだが何故、私はリア充グループに属する人たちが苦手なのか心の底から思い出させてくれた。


あの、返事もしていないのにも関わらず他人のパーソナルスペースに土足で「このくらいなら大丈夫だよね」と問答無用で入ってくる事である。


そしてそこに拒否権など無に等しく、万が一断り方を間違えたりしたら最後、ヒエラルキーのド最底辺まで急転直下明日から地獄の始まりである。


しかしながら高城はこれで上手く私の外堀を埋めて海へと行かせられると思っているのだろうが、そうは問屋が卸さない。


何故私如きヒエラルキーの底辺と一緒に真夏の海とかいう、ヒエラルキーの底辺からすれば正に地獄としか例えようがない場所の一つへと行きたいのか全く持って理解に苦しむ案件ではあるのだが、この事件の容疑者は自分の計画に酔ってしまい目の前に大きな落とし穴が空いていた事に気付けなかったようである。


空き樽は音が高いとはまさに高城にぴったりの言葉ではないか。


そして私は心の中でひとしきり高城の事をバカにした後、授業中高城にメールを送る。


『私、行かないよ?海。行くなら一人で行きなよ』


そう、どうせ私が行かなかったからと言って元々ヒエラルキーのド底辺である私には今更転がり落ちる坂等無いという事を、高城は思いつかなかった様である。


普段からリア充グループとつるんでいるが故の弊害、見落としであると言えよう。


ざまーみろっ!


『もし来ない場合は俺の妻がミナだってバラしてしまうかも』

『行かせて頂きます』


バカは私だったしさぞ叩けば高い音が鳴る事だろう。





「作戦ターイム」

「お、おー………?」

「声が小さいぞ眞子小隊長っ!!」

「うぜー………。あんまりウザいと帰るわよ」

「嘘ですっ!!嘘でございます眞子大隊長殿っ!!」

「うむ、苦しゅうない。しかし我はちょいとばかし喉が渇いた気がするな」

「ははぁーっ!!すぐさま麦茶をお持ちしてまいりますっ!!」


そんなこんなで土曜日。


今日は珍しく高城ではなく眞子と一緒に過ごしていた。


場所は私の部屋であるのだが、何故だか眞子が一番いい場所に陣取りふん反り返っているのは何故だろう。


人間何人にも弱みを教えてはならぬと言う教訓を添えて貰っているきがする。


解せぬ。


「それで作戦ってどんな作戦よ?そもそも何でリア充グループと海に行く事になってんのよあんた。海に行かなければそもそも作戦なんて考える必要無いんだから、今からでも遅くないから断って来なさいよ」




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