第20話一人一本は行きわたるんじゃなかろうか
そして自ら喧嘩を特売で売ってくる眞子であるのだが悲しいかな、今からヒエラルキーの頂点であるリア充軍団と戦わなければならない運命を背負っている私からすれば目の前のヒエラルキー最底辺の眞子を目の前にした所で全くと言って良いほど腹が立たない。
まるで像を見た後にアリから喧嘩を売られても何らプレッシャーを感じない様な、そんな感じである。
「ったく、だからさっきから頭の中がダダ漏れだって言っているでしょうがっ!って、リア充軍団にアンタ一体全体何をしでかしたのよっ!?早く土下座しに行きなさいよねっ!私まで火の粉が大量に飛んできそうで怖いんですけどっ!?」
「しでかしたって何よ、しでかしたってっ!?そもそも親友であるのならばここは『仕方ないわね、私も一緒に戦ってあげるわ』が正解なんじゃないんですかねっ!?」
「どう考えても犬死じゃないのよっ!」
「い、犬死だなんてやってみないと分からない………事も無いけれどもっ!!確かに限りなく犬死かもしれないけど、産まれた時は違えど死ぬ時が同じなのが親友とかいて姉妹なんじゃないかしらっ!?」
「私たちは親友だと思っているけれども、だからと言って桃園の誓いめいた事をした覚えはないわよっ!ほら、最後くらい一緒にスマホアプリゲームを協力プレイしてあげるから」
「ぐぬぬぬぬ、じゃ、じゃあこのカースシリーズ武器育成アイテム回収周回でも良い?」
「まったく、今日だけだぜ我が友よ」
「………うっさいわね」
なんだかんだで眞子とのこの日常めいた雰囲気によりかなり落ち着けてきたので、少しばかりは感謝をしようと心の中で思う。
「おはよー」
そんなこんなである意味で有意義な、そしてある意味では死刑執行を待つ死刑囚の様な気持ちで眞子と一緒にスマホアプリを協力プレイしていると聞きたくない声が聞こえてくる。
辺りを見渡すといつの間にか、自分が思っていた以上に時間が経っておりクラスメイト達が八割ほど教室にいるではないか。
その中にも当然比較的早く登校するリア充グループ(予鈴と共に登校するグループと、そうでないグループがいる)が見受けられる為、何故私に絡んで来なかったのか少し疑問に思うもののそのままスルーして頂きたいと切に願う。
その為なら今あるお小遣い全額捧げても……………来月発売のあつまれどぐうの森を買いたいから全額は無理でも百円くらいなら捧げても良いと思っている。
この百円でうんめぇ棒を買えば一人一本は行きわたるんじゃなかろうか?
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