第四十九話 医者「何でだろうね……?」(改善)
悪あがきの四十六~八話と初診の四十五話を経て、血液検査の結果を聞きに行った2回目の受診にて。
「うん。世楽さん……良くなってます」
「ファッ⁉」
開口一番内科医は卓上の紙を指さした。
升目の細かいややカラフルな表の中には以下のように記載されていた。
■総コレステロール:191
■LDL:112
正常値である。
テッテレー!
おかしい。
確かに半月ほど猶予はあった。悪あがきもした。断酒はしたくない。
「……確かに。しかし、コレステロールというものは生活習慣を改めることで改善される……早々に良くなるものではない、そういうものではないですか?」
「それは、そうですね」
なぜか石破茂氏のようなねっとり詰問調になる世楽。
「甲状腺、甲状腺の異常はなかったんですか?」
「なかったです」
「じゃあ、良くなった理由はこれといって、ない?」
「そういうことになりますね」
「???」
「…………」
ねっとり世楽とだんまり医師の間に流れる沈黙。
「あの……」
「世楽さん、良く……なったんです」
「……はい」
これ以上の野暮は止めとけってことですね。分かりました。
このように(?)始まると同時に世楽のLDL問題は完結したのでした。
テッテレー
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます