第四話 てめぇの腹だろ、向き合えよ

 パチィンッ!

 パチュンパチュン……!


 帰省を終えて自宅。風呂上り。

 デブの腹は平手で打つと良く鳴る。


 パチィンッ!

 パチュンパチュン……!


 かつてライブで観たハンドパンの奏者の如く腹を鳴らす。


 パチィンッ!

 パチュンパチュン……!


 叩く場所と角度を変えると、音が変わる。


 ベルトに腰かける下っ腹。

 年齢と共にせりあがってきたヘソ上のたるみ。

 腰骨という堤防から前へ横へと溢れて流れ出すような横っ腹。


 パチィンッ!

 パチュンパチュン……!


 さあ、現実逃避はお終いだ。

 吾輩! 痩せる!

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