呼吸

曼珠沙華

呼吸


酸素を吸い込み

二酸化炭素を吐き出す。


至極当然のように

意識する事なく

生きて行く為に。



呼吸が止まる。

呼吸を止める。


即ち

生【せい】を捨てる。



生きている意味。

生きている理由。



生きている のか

生かされている のかは


自身が決める事。



感情を持つ事も

考える事も

【人間】が持つ特別なものだと知った。



生きてきた歳月【としつき】。

環境。


同じ人間などいない。


否定するも肯定するも自身。







……と

頭では理解している。

心が追いつくか否かはまた別。



ただ

今は


感情など不要。


何も考えず

何も見ず


機械のように

精密に出来た人形のように。



わかっているのは


立ち止まる事は許されない。

立ち止まる時間はない。



いつか

全てから解放された時


もう1度呼吸をしよう。


全身に

酸素を行き渡らせるように。








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