第9話 奴隷ソフィー


冒険者ギルドに登録が終わり宿に帰ってきた。


「おかえりなさい、ユウキさん!お食事どうしますか?」


「ああ、じゃあ貰おうかな」


「えっと銀貨一枚のオーク肉のステーキとかおすすめですよ?」


「じゃあそれで・・・」


しばらく待つとアツアツなプレートに乗った肉が俺の机に乗せられらた。口の中にオーク肉を入れるとじゅわっと肉汁があふれ出す。柔らかく臭みがない肉が素晴らしくおいしい。しかもボリュームがある・・・ありすぎる。食べきれるかな?


一時間後


「ユウキさんまだ食べ終わらないの?


「食べ終わる訳ないだろ?どんだけ肉あるんだよ!」


「あははは!私が間違えて大量に入荷しちゃってさぁなんと普段の価格でいつもの5倍!嬉しい?」


どおりで多いわけだ。多すぎるわけだ。


「残したら罰金ね?」


「いいじゃねぇか!全部食べてやるよ!」


・・・・オレはベッドに倒れこんだ。もう無理食べられない。動きたくない・・・


そのまま俺は眠りについた。その日悪夢を見た肉が永遠に追いかけてくる夢だ。


「ああ~肉はしばらく食べたくない・・・」


翌日・・・


「おはようございます!昨日は大変でしたね」


「誰のせいだ!だれの!」


「私ですね!すみません!」


今日はどうしようか?昨日習得したスキルによる回復を試してみよう。


取り敢えず剣を使って軽く指を・・・



「痛!あ、ヤバイ切りすぎた血が止まんない。」


回復魔法をスキル化して強化した賢者の英知を使用する。すると瞬く間に傷が消えた。これはかなりの回復力だ!


そこでふと思った。欠損は回復スキルで回復できるのだろうかと先ほどはハイヒールの強化スキルを使ったがエクストラハイヒールの回復スキルならもしかして・・・と


そこそこ強化にポイントを使ったので期待できる。


昨日紹介してもらった教会前の奴隷商に向かう。店に入ると小太りしたおじさんがオレを迎えた。


「いらっしゃいませ。今日はどのような御用で?」


回復魔法を使って欠損が治せるか試したいとか言ったら色々利用されそうだな・・・



「あ~健康じゃない弱った感じの奴隷いないかな?」


ニヤニヤとにやつきながら奴隷商がオレをおだててきた。


「しばらくお待ちください、ここに連れてきます。」


しばらくして連れられてきた奴隷たちは目を覆いたくなるような姿をしていた。その中でも特に目を引かれたのは茶髪でクリっとした目その奥は、何も期待も希望もない絶望だけを映している目をした10歳くらいの少女だ。


俺は、魔王城で回収した眼鏡を付ける。すると宙に字が浮かんできた。


ソフィー(9歳) 状態;欠損状態

レベル12

スキル:龍の籠手


となっている。スキルに見たことのないものがあり更に気を引かれたのでこの奴隷を購入することにした。


「その欠損が酷い奴隷を」


そう言うとソフィーはこちらを絶望的なまなざしで見る。


「そちらの奴隷は、銀貨9枚です。」


「安すぎないか?」


「いえいえ、これでもかなり高い方です。日に日に弱っていて近いうちに死にそうですし、こちらとしては拾っただけの奴隷ですのでこれでも採算的にはプラスなんですよ」


「そうか・・・じゃあ金貨2枚渡すから上等な服とご飯食べさせてやってくれ」


「かしこまりました」


そう言ってソフィーと共に奴隷商は裏に戻っていった。20分ほど眼鏡で遊んでいると綺麗な服を着たソフィーがこちらに担がれてきた。彼女は左の手足がないため担ぐしかなかったのだ。


「じゃあソフィー行くぞ」


俺はソフィーを担ぎ宿に帰ってきた。


「あれ?ユウキさんその人奴隷ですか?うわぁーひどい状態ですね、その子どうするんですか?」


「いや、少しな」


軽くごまかして部屋に戻った。


「さてと・・・ヤルか」


そう言うとびくりと震えるソフィー


その彼女に触れ、オレはスキルを発動する。ソフィは眩い光に包まれる。その光が大きくなりなかった手の形を形作る。足も同様にみるみるうちに生えてきた。


「成功だ・・・」


俺の前には先ほどまでのボロボロの少女はいなくなり小綺麗な少女が現れた。ソフィーは自分の手足を触り、一通り確認した後、俺に跪いた。


「神様でしょうか?私を助けていただきありがとうございました。これから誠心誠意尽くさせていただきます!」


おいおい、勇者の次は神様扱いか・・・

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