vtuberアイドルに恋をしたので恋が実るまでスパチャをし続けます!〜青スパチャや黄色スパチャだと見向きもされないので赤スパチャを投げる〜

神崎夜一

第1話 vtuberアイドル瀬名ヒナちゃん


最近vtuberというものが出てきた。それは2次元の可愛い姿、可愛い声でゲーム実況や動画を上げてくれる。動きも事細かく笑ってくれたり、怒ってくれたり、はたまた罵ってくれたりする。瞬きや手の動きもあったりして、2次元のキャラクターがちゃんと動いている。


そんな俺は今日も今日とて一推しのvtuberの瀬名ヒナちゃんの生放送を見ていた。


「うっひょょょぉぉぉ!!ヒナちゅゅゃゃんん今日も可愛すぐる!!抱きしめて色々舐めまわしたいぃぃ!!」


僕38歳引きこもり無職である。親のスネをかじり、実家の自分の部屋から一歩も出ずに画面を見てニヤニヤしていた。


『えーと、今日は〜。なんと私の誕生日なんです!なので〜みんなから祝ってほいしな〜なんて思ったりして。えへへ。祝ってもらえると凄く嬉しいな〜あっっ赤スパチャありがとね〜!!凄く嬉しいな〜。えーと「ヒナちゃんいつまでも応援しているよ。頑張って!」

頑張るね!これからも応援よろしくね〜」


画面越しに赤髪で赤目をした幼児でとても可愛いヒナちゃんがお誕生日ということで1万円のスパチャを送った。そしたらヒナちゃんが笑顔で僕の応援メッセージを読んでくれた!凄く嬉しい!こんな誰にも構ってくれない僕にもヒナちゃんは笑顔で接してくれるなんて天使すぐる。

これはもっと、もーーーとヒナちゃんに貢がなければいけない。だってそしたら僕のメッセージ読んでくれて喜んでくれるんだよ?貢がなければバチが当たるよ。ヒナちゃん大好き♡


『みんな本当たくさんスパチャありがとう〜!これからもずっと頑張っていける!みんなのおかげだよ〜。だからこれからもたくさん私に貢いでね??」


ヒナちゃんは上目遣いでこちらを見つめてくる。


「僕はヒナちゅゅゃゃんんが大好きなんだよーー!!だから貢ぐのなんか当たり前だよぉ!だからまだまだ誕生日祝うぞぉーー!!」


『えっっ5万円も??ありがとうね!!生活とか大丈夫なのかな?でもこんなにも私を応援してくれるなんて大好きだよ!

えーとタナカさん!またスパチャなんて嬉しすぎるよー!

「誕生日おめでとう!これで自分へのプレゼント買ってねー」

タナカさんからもらったこの5万で自分へのプレゼント買うよ〜!

これからもタナカさんは私に貢いでくれると嬉しいなぁ〜』


またスパチャ読んでくれた!しかも今回は僕の名前も読んでくれてもう死んでも悔いがないよぉー。天使すぎて顔が熱い。


他にもスパチャがたくさん流れていく。それのほとんどが赤スパチャ(1万以上)で青スパチャや緑スパチャ、黄色スパチャは全く読まれない。

読まれるにしてもピンクスパチャの5千円以上からだ。


「くそ、僕の他にも赤スパチャ投げるんじゃねぇーよ。ヒナちゃんは僕のヒナちゃんなんだぞ!」


瀬名ヒナの登録者は4万人。vtuber界でも人気上昇中でとろけそうな可愛い声でとても人気を集めている。生放送には2千人程の視聴者がいる。その中でも熱狂的なファンがたくさん居るのか、赤スパチャの嵐で止まることがない。


「ヒナちゃんのファンは僕だけでいいのに」


切実な願いを口にするがヒナちゃんファンを引き剥がす事はできない。


「でも俺はヒナちゃんと結婚するんだ!そして色々舐めまわして僕だけのものにするんだ!だからスパチャいっぱいしてどれだけ僕がヒナちゃんにとって必要な人なのか分からせて、他の人なんかに頼らせない!他の人よりもスパチャをして分らせてやる!」


なお、このお金は親のクレジットカードから引き落とされる。

だが、そんなことは些細な事と思い込み、引きこもり無職であるタナカは今日も今日とて推しのvtuberにスパチャをする。


これは推しvtuberと視聴者との恋愛ストーリーである。

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