第四百十七話 今後の作戦を練る時


と「何だよ、俺だって何も考えてないわけじゃないんだ。

まあ、昔はそうだったかも知れねえけどよ」

「そうね、昔に比べれば……いえ、つい最近までそうだったのに」


スロープは不満げな口調で返答するが、セリアンは感心した様子を見せていた。

それだけスロープが喧嘩っ早いということなのだろうか。

だが話がそれてしまったと思ったのか


「さて、話をもとに戻していいですか?」


ルルがそう告げるとスロープは


「あ、ああ、話がそれていったぜ。

今後ピープルが戦力の増強を目論む可能性は高いって話だよな」


と告げる。


「ええ、しかも残念ながら先代ピープルの魂の全てが紳士的、

というわけでは無いのです。

つまり中には……」

「現在のピープルと親和性のあるやつも居るってことか」

「ええ、そいつらは子供に憑依しろと言われれば大喜びで憑依するでしょう。

そして恐らくはそのままとんでもない事をやらかすでしょう」

「とんでもない事?単にピープルとして活動するだけではないの?」

「そんなもので収まるとは思えません、現在のピープルに協力するどころか掌握し、

更に世界を支配しようとしていくでしょう」


ルルがこう話を続けると、クウォスやパウも言葉を挟む。

そしてそのまま魂が復活してくる事の恐ろしさを語る。


「そうだとするとその魂がどこに眠っているのか、

現在そこがピープルに制圧されているのか否か、

その点を考えなければならなくなったわね」


ミスティがこう話すとルルは


「ええ、ですが残念ながらどこに誰が封印されているのか、

それについては私も把握していないのです。

故に今後の作戦についてですが……」


と今後の作戦について話を進めようとする。

だがその直後にセリアンが


「あの……少し待ってもらえませんか?」


とルルの言葉に口を挟む。


「どうしたセリアン、遠慮せずに申してみせよ」


長老がセリアンに考えを話すように促すと


「今は一つの作戦が終わった直後です、

当然ピープルもその事は把握しているでしょう。

そう考えると今すぐに動き出しては

却ってピープルに警戒されるのではないでしょうか?」


とすぐに行動を開始してはピープルが却って警戒してくるのではないかと予想する。


「なるほどね、それに戦力を強化するとなれば、

当然まずはそれに集中してくる筈。

今回の作戦で敗北した事で拠点を失ったわけだから当然制圧地域についての防衛は

より強化されるだろうね」

「となると、今はこちらも防衛戦力を整えたほうが良いかも知れない」


明帝と高御はまずは防衛戦力を整える事が先ではないかと告げる。

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