第三百六十二話 次の疑問が浮かんでくる時
「ええ、アデル君から話は聞いているのでは?」
「確かに最終段階で他の惑星の部隊に連絡をするように聞いては居ますが、それは一体何の為に?」
「今話している時間はありません、早く!!」
「僕の方からもお願いします、それに僕からも連絡します」
ミスティの発言に対して兵士は疑問を呈するがアデルはそれに対して素早く行動するように告げる。
更には自ら率先して連絡を開始し、それが決して単なるポーズではない事を示す。
そして直ちに通信を送り出すとアデルは
「もしもし、此方マルティー本星の部隊のアデルです、そちらは……」
と言って現在の自分達の状況を告げ、更に
「故にそちらに送り込まれている異星連合の部隊が民間人を人質に取ろうとする可能性があります、ですが一方ではそちらが攻勢にでるチャンスともなり得ると思います」
と状況を説明し、この状況を活かして欲しいと告げる。
他の兵士達も口々に同様の意見を告げ、この状況の活用と警戒を呼びかける。
そしてそれが終わると
「ありがとうございます、これで異星連合の勢力をある程度減らす事が出来ました」
「ええ、ですが本番はこれからですよ」
兵士が高御達に感謝の言葉を告げるとアデルはそれに同調しつつも警戒心を持つ様に告げる。
「その本番はこれからというのはどういう意味なんだ?」
アデルの発言が気になったのか、スロープはこう問いかけてその真意を聞き出そうとする。
「それはね、今回開放したエリアは元々僕達の側だった、あるいは僕達に協力してくれていた、少なくとも異星連合に対して反発していた勢力の面々なんだ。
だけど残っている部分はそうじゃない」
「そうじゃないって……」
アデルの発言に対してスロープがこう返答するとセリアンは
「もう、つまりは残っている部隊は異星連合に対して協力している、そこまでは行かなくても表立った反攻をしていないって事でしょ」
と少し呆れたような反応をする。
だがそれに対しスロープは
「セリアン、俺だってその位は分かってるよ。困惑してるのはそこではなく異星連合を支持している民間人が居るって所だ。
一体そいつらは何を考えているのかってな」
とセリアンの疑問が的外れで有る事、更に異星連合を支持する民間人が居る事についての疑問をいだいている事を告げる。
それを聞いたセリアンは
「確かにその点は気になる所ね、もしそいつらに従う事で何らかの利益が得られるのであれば最も分かりやすい話なのだけど」
と納得した表情を浮かべる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます