第三百五十四話 作戦の真相を知る時

「直ぐにでもお話を始めたい所ですが流石に立ちっぱなしというのは申し訳ございません、我々に着いて来て頂けますか?」

「ええ、ここでそれについて話している時間はありませんからね」


戦艦から降りてきた部隊の隊長らしき兵士がそう告げると高御はそれに従い、彼等の案内の元何処かへと向かっていく。

そして招かれた先はボロボロで所々老朽化しつつも辛うじて司令室の体をなしている大きな部屋であった。


「ここが我が方いの司令室です、最も司令室と言う言葉で呼ぶ事すら躊躇われますが」


案内が終わった直後に隊長がこう告げるとミスティは


「その話は後で聞かせてもらっていい?今はこの星の現状と次の作戦についてよ」

「次の作戦ですと?その次というのは……」

「君達には伝えておいた筈だけど、砲台制圧後直ちにESBの皆さんと協力し、マルティー本星に存在している異性連合の拠点を次々と制圧するって」

「ええ、確かに伺ってはいましたが、本気なのですか?」

「本気じゃなかったら伝えてない、それよりもまさか伝えていないなんて事は無いよね?」

「いえ、確かに伝えてはいます、ですがあまりにたいそれた作戦だと思って兵達も本気にしていない部分がありました」

「ええ、実を言うと私達も本気にしていませんでした……つい先程までは」


こう兵士達とアデルも交えて会話を交わす、これを聞いたアデルは少し呆れている様にも見える対応を見せる。

それを聞いた先程までの作戦に参加していた兵士達もこう告げる。


「ですが作戦に参加した事で意見が変わりました、なので教えて頂けませんか、先程の砲台を破壊した方法を」


と告げると七宝は


「ああ、それは簡単よ、私の能力を使ってあの砲台の制御装置の操作系統を乗っ取って自爆させたの、最もその能力が何なのかと聞かれるとまだ分かっていない部分が多分にあるのだけど」


とあっけらかんとした表情と口調で説明する。


「ええと、つまり施設の自爆を誘発させたという事でしょうか?」

「そういう事よ、ついでに施設内に保存されていたデータも色々と入手しておいたわ」

「つまり、急な作戦変更が入ったのはそのデータを入手するためだったのですね」

「ええ、敵の情報は出来るだけ多く入手しておくに越した事は無いから、そしてこんな事も分かっているわよ」


兵士に対して七宝は更に返答し、同時に手元に端末を取り出しデータをみせる。


「これは……これまで入手した事がないデータもありますね」

「それに各地の現在状況も……」


そう告げると兵士とアデルは七宝の端末の画面に釘付けになる。

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