第三百二十三話 成果を報告する時

そしてそのまま操作を進めていくと


「システムが改竄された形跡は無いわね、これなら直ぐに復旧が可能よ」

「だったらここを拠点にしてピープルに対して反撃を行うのは容易ですか?」

「ああ、この調子で次に続けていきたい所だ」


セリアン、兵士、スロープがこう会話を交わすと後から続いて入ってきた兵士が


「皆さん、今確認致しましたが特に何かが仕掛けられている形跡は有りませんでした」

「ええ、我々が制圧を許した時粗そのままで存在しています」

「しかし、こう残されていると逆に不安になるわね、場合によっては彼等に来てもらって調べてもらうほうがいいかも知れない」

「俺達の世界の技術なのに頼らなきゃいけねえってのが申し訳ないけどな。

だがいかんせん俺達には技術面の解析能力が不足している、何とかしてその部分をカバーしねえと」

「その為にも分断されている他の地域の面々と合流したい所だ」

「その為には各連絡エリアを繋ぐエリアを開放しないといけねえな、その為にはもっとエリアを開放しなければ」

「ですが今はこの施設を奪回出来た事を喜びましょうよ」


セリアンとスロープはこの先を見据えた発言を続けていくが、兵士は一旦は施設を奪回出来た事を喜ぶべきではないかと告げる。

それを聞いたセリアンとスロープも


「そうだな、今は喜ぶべきか」


と納得した表情で笑みを見せる。

するとセリアンとスロープは一旦手を止め、目の前に表示されている文字をそのままにして顔を見合わせる。


「だったら一旦長老の所に戻った方が宜しいのでは?

兵士が勝利の報告はしているかも知れませんがお二人の無事はまだ確認されていないのですから」


兵士がそう告げるとセリアンとスロープは


「ならここは任せても構わない?

流石に奴等もここを奪還されて黙っているとは思えない、直ぐに大群をけしかけてくる何手事もありうる話だからね」


セリアンがそう告げると兵士は首を縦に振って頷き

それを確認したセリアンとスロープはその場を後にして行き、その場の兵士達は顔を見合わせて


「さあ、大見得を切った以上我々も負けていられないぞ!!」


と決意を新たにする。

一方セリアンとスロープは元来た道を戻って自分達の拠点に向かい、そのまま長老の元へと向かう。


「二人共良く戻ってきてくれたな、作戦の成功は既に聞いておるぞ」

「まあ、俺達が言った時には彼等がもう司令を追い込んでたんだけどな」

「ええ、正直彼等の協力なしには勝てませんでした」


長老に対しセリアンとスロープは謙虚とも事実とも取れる会話を行う。

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