第二百十一話 ピープルの存在を知る時
「私達の世界は我々ともう一つ、ピープルと言う存在が居るのです。
ピープルは我々を力づくで抑え込み、世界を征服しようとして各地に進行しているのです」
「その配下の兵士達はどれも感情がねえ、まるで意思がないみたいにピープルのは以下として突撃してきやがる」
セリアンとスロープの発言からやはり彼等はこの世界と異なる世界からやってきたのだと言う事が分かる。
「配下の兵士って言うのは私達が言う異形の事ね、そしてその言葉から考えるとやはりあの異形に自分の意思は無い」
「そうであるなら私があの異形の内心を能力で調べる事が出来なかったのも同感ね、意思がなければ心など持ちようがない」
パウとエリーがセリアンとスロープが言う兵士が異形の事を指している事が明確であった。
更にパウとエリーが何かを言おうとするが、そこに高御が目配せし、一旦話を全部聞いてと言わんばかりに視線を送ってきた為舌の所まで出かかっていた言葉を一旦飲み込む。
「その進行は確実に進んでいき、俺達も次第に追い込まれていった。
その過程で親達も……」
そう話すスロープの腕が震えているのにESBの面々もアデルも気付いていたが、話の流れを留めない為に敢えて気付かない振りをした。
「私達は年齢的な事もあり、実践にはまだ参加していませんでした。
ですがピープルへの怒りから密かに鍛錬は重ねていたのです、そんなある日、奴等が使った妖術通路の展開を確認したのです」
「勿論俺達は直ぐに迎撃する筈だった。
だがそこからピープルの兵士が出現してくる事は無かった」
「そうした事が数回続いた事からこれは反撃の機会ではないかと思い、私達はこれまでピープルが侵攻してきたエリアへと向かったのです。
そしてその先で奴等が使用している拠点を見つけ、私とスロープはそこに乗り込みました」
「その乗り込んだ先であの巨大な兵士と交戦している最中に突如出現した妖術通路に飲み込まれて気が付いたらこの世界に来ていたと言う訳です」
セリアンとスロープはここまで話し終えると一旦言葉を止める、いや言葉が続かなかったのだろう。
それに対してクウォスが
「俺達の世界に異形が出現したのはその通路に何らかの以上が起こった事が理由だろうな」
と告げるとアデルも
「恐らくはそうだと思うのですが、何故星間連合の転移通路が繋がってしまったのかと言う疑問は残りますが」
と言葉を続ける。
「それから目覚めた後は皆さんもご存知の通りです」
そう語るセリアンの声は何処か申し訳無さそうな声を上げる。
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