僕の記録
31. 開戦
「んっ...! このお菓子すごいウマい!」
「そんなことよりちゃんと辺り見渡せバカ。俺たちの行動一つで今後の動き方が変わってくるんだぞ?」
「分かってるって。そろそろ予定の時刻でしょ? たくさん動く前に気持ちを落ち着かせてるの」
国の中で一番高い時計塔、そこに座る二人が見える。動物の目を通して見る街並みは圧巻そのもの。光を発する「電光掲示板」なるものがそこら中に立て付けられ、千差万別の家模様が混沌としていながらも美しい街並みだった。
『リズ、ベン、危なくなったら分かってるね?』
「アンタは過保護すぎ。それに、私たちに何かあったらいち早く助けてくれるでしょ?」
妙に信頼されてるな...。
『声は聞けても状況は把握出来ないから...とまあ念を押すのはこのくらいにしとこっか』
息を整え、再び話し出す。
『何回不意打ちを食らったか覚えてないけど、それは僕たちが脅威を防ぐ力が無かったからだ』
『でも今は違う』
『力を得て、敵にとっても明確な脅威になった。前は不意打ちに近い遭遇だったから、今度は僕たちがお返しをする番だ』
どこかの部屋の卓上、僕とイリスは盤面の上に乗せられた駒を見ている。
「準備はバッチリだ。派手にやろうぜ、少年」
その声を聞いたあと、もう一度息を吸って吐き出し呼吸を落ち着かせる。
『よし、やろう』
『開戦だ、派手にぶちかまそう』
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