第184話 事後処理と異変の黒幕(×2)
「ふぅ、どうにか倒せたけど……快楽遊女はこれで終わりじゃないのがタチが悪いね」
超強化された快楽遊女を男根新技〈ビックディックマン〉とアリシアたちとの合体技で打ち倒した後。
僕はその魔力消費の多さに息を吐きながら、震動で割れた地面を見下ろしていた。
快楽遊女は地下深くに根を張るため、地上の美女部分を倒してもあとから復活する。
なのでしっかり根の部分も探知、採掘して倒しきらないといけないのだ。
とはいえそんな時間のかかる作業を〈過豊穣の島〉の最奥なんかでやってられないし、今回の超強力快楽遊女は仲良しをする余裕もヤリ部屋に引きずりこむ余地もない怪物だった。
そこで――僕は地面から露出した快楽遊女の根に男根を突き刺した。
そのまま敏感な男根を細く伸ばし、根っこを地表から辿っていく。
そして思った以上に地下深くまで伸びた根に改めて驚愕しながら、
「男根剣・煌」
勃ッ!
細く伸びた男根に数秒だけ灼熱の魔力を滾らせる。
かつてコッコロとの戦いで細く伸ばした男根を炎上させたけど、それに近い感覚で細かく広がった根まで残らず焼却した。以前はここまでの精度で男根を燃やすのは無理だったけど、連日の無茶でスキルLvが上がったおかげだ。
「……うん。怪しい気配もないし、しっかり退治できてる……お疲れ様、エリオ」
アリシアが念のために〈気配探知〉も発動して確認してくれる。
これで異常進化した快楽遊女の脅威は完全に取り除かれただろう。
とはいえ……懸念はまだある。
「それにしても……あの快楽遊女はどうやって〈過豊穣の島〉の最奥に……」
僕は独り言のように漏らす。
今回の異変には、超強化快楽遊女を討伐したことでいちおうの解決を見た。
けどいままで〈過豊穣の島〉に根付いたなんて話のない快楽遊女がどうやってこんな場所に辿り着いたのかわからなければ、同じ事が繰り返される可能性があった。
「なんならこれも教会の工作かなにかじゃあ……いやでも、あの快楽遊女を放置してたら強化花粉で大陸も壊滅しかねなかったわけだし、そうなれば教会だってタダじゃ済まない」
いくら最近の教会がおかしいとはいえそこまでバカな真似はしないだろうし……と僕が首を捻っていたそのときだった。僕たち以外いないはずのこの場所で、知らない声が響いたのは。
「うおおおおおおおおおおおおっ!? シグマ様じゃないっすかああああ! まさかこのイカれた島のど真ん中まであっしを助けに来てくれたんですかああああああああああ!?」
「「「え!?」」」
突如響いた声に振り返り、僕たちはぎょっとした。
1人の可愛らしい少女が潰れたワニみたいなモンスターの口内から這い出してきていたのだ。
身体中を体液でぬめぬめにしたそのくせっ毛が特徴的な獣人の美少女。それも特徴からしてタヌキと呼ばれる珍しい種類の子みたいで。
突然のことにいろんな意味で僕たちが呆気にとられていると、シグマさんが驚愕したように叫ぶ。
「あ!? そのアホ面、お前もしかしてラクーンか!?」
「え、シグマさんお知り合いなんですか?」
いやそういえばあの狸獣人の子、シグマさんの名前を呼んでたような……。
と思っていればシグマさんが驚くべき情報を口にする。
「あいつは狸の獣人ラクーン。オレが魔剣に操られてたときに頭張ってた〈強王派〉の特別幹部だ」
「え」
目を見開く僕らにシグマさんが説明を続ける。
「おつむはアレなんだが、その反面突出した〈テイマー〉でな。見ての通り、条件さえ揃えばモンスターの体内に入り込んでかなりの格上まで使役できんだ。バカのくせになかなか残党狩りで捕まらねえのはそのインチキ能力のせいだと思ってたんだが……お前こんなとこでなにやってんだ!?」
「えっへっへ、そりゃもうシグマ様のためっすよ!」
丸い尻尾をぶんぶん振りながらラクーンさんが鼻息荒く口を開く。
「シグマ様、なんか計画のために栄養豊富な食料がたくさん必要だって言ってたじゃないっすか。なのでこの島に植物型モンスターを持ち込んで強くして、サイキョーテイマーのあっしが操れば良い食料を大量ゲット! あとついでに吉凶石を独占すれば〈牙王連邦〉に大ダメージで活動資金もがっぽがっぽだと思ったんっす!」
え、ちょ、まさかこの人、と僕たちが言葉を失っていると、ラクーンさんはさらに続ける。
「だもんでそこらで見つけた
「「「……」」」
一気にまくし立てるラクーンさんの自白に一同ドン引き。
え、ちょ、この子本気で言ってる? というかもしかして〈強王派〉が解体されたことも知らない? と僕たちが口を開けないでいたところ、
「……おいエリオ、うちのバカが本当にすまねぇ。まさか異変の原因が〈強王派〉残党だったとは……。でもって悪いんだが、いますぐあのバカ犯してくれ」
シグマさんが僕の肩を叩いて静かに言った。
「え、ちょ、本気で言ってます!?」
さすがに冗談だと思い僕はシグマさんに聞き返す。
けどシグマさんは本気の眼で、
「あのアホタヌキ、いま聞いた通りほっときゃどんなバカやらかすかわからねえ。首輪と懲罰も兼ねてさっさとヤってくれ。どのみち、頭おかしくなってたときのオレの命令とはいえテロリストやってたのは間違いねえしな」
「は、はぁ」
ケジメをつける親分のようなシグマさんの言葉に僕は渋々同意。
ここじゃ危ないのでヤリ部屋にラクーンさんを引きずりこんで、
「え? ちょっ、ここどこっすか!? てゆーかいきなりなにを――おへええええええ❤❤❤!? シグマしゃまああああ!? これが良い働きをしたあっしへのご褒美っすかあああああ❤❤❤!?」
ラクーンさんと仲良くなって〈主従契約〉を即座に完了。
島の中央部に生えた巨大な〈デメテルの吉凶石〉と栄養満点食材を可能な限りヤリ部屋に詰め込み、僕たちは島を後にするのだった。
なんだか色々と衝撃だったけど、異変の原因までばっちり解決できてよかったと思いながら。
*
――そうして、エリオたちが着々と対教会の準備を進めていた頃。
「まったく……。それにしてもダンジョン寄生の知恵を仕込んだアーマーアントたちの全滅はなんだったのかしら。素質のあったクイーンに魔族強制進化の秘宝まで使ったというのに。計画が大幅に遅れてしまったじゃないの、忌々しい」
暗い地の底で、1人の女が小さく声をこぼしていた。
霧のように、あるいはゴーストのように姿の揺らぐ絶世の美女だ。
金髪紅眼が特徴的なその女は愚痴のような言葉を漏らしつつ、しかし次の瞬間には凄絶な笑みを浮かべる。
「けど、まあいいわ。
言って女は暗い地の底でその〝準備〟を完了させる。
そしてその整った顔に人外の凶悪な笑みを浮かべ、
「もう少し、もう少しで我々の時代ですよ魔王様……!」
傀儡と化したあの愚王や教会の愚かな信者どもがいつまで経っても行方不明の神聖騎士を発見できないのは業腹だが――準備は万端。
もし発見できずとも、神聖騎士など人の世ごと叩き潰してみせる。
そんなことを思いつつ、金髪紅眼の美女はその場から霞のごとく姿を消すのだった。
深い地の底へ、崩壊への大きな楔を打ち込んで。
―――――――――――――――――――――――――――――
ラクーンちゃん、多分キャリーさんと組み合わせてはいけない人。
そしていよいよ教会サイドも本気で仕掛けてくるようです。
……というところでアレですが、次回の更新は30日(水)のおまけSS「エリオ君の男根トレーニング」になります。本編更新は12月4日(日)になりますのでご注意ください
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