【詩 粒yori】

小箱エイト

第1話 「尊いこと」

『誰かの為に歌う』

それは、尊いことなんだ。


誰かを思うことは、自分にしかできない。

誰かを思うことで、自分に気づく。

誰かというのは、数じゃないんだ。

その人と向き合う濃さなんだ。

正も負も、陰も陽も、喜びも哀しみも。

素直に感情を織り込んでいって、「誰か」が浮き上がるんだ。

ごちゃごちゃの感情をそぎ落としていって、「誰か」が残るんだ。

それは、温かい染みになって、気持ちの奥底にあり続けるんだ。

それって、自分にしか、わからないことなんだ。

『歌う』って、それを震わすことなんだ。

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