第11話 黄昏セピア

夕焼けが

窓から染み込んで、

部屋の中に満ちてくる



過ぎた時を

積木のように積んでは

並び替えて遊んでみる



茜空に、

わたがしのような

雲の群れが

ゆったりと流れていく



注いだ紅茶の波紋は

ゆっくりと

部屋に広がり、


古い写真のように

心を染めていく



記憶にはさんだ栞を

はらりはらりと

抜き取っては


幸せのかけらを探す私



今はただもう少しだけ


時のゆりかごに

揺られていたい




 

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