if.大前日向の『桜色のキス』実況配信プレイ
「っと、映像OK、マイクも大丈夫ですね。よし」
Live配信スタートです。
「こんにちはー、毎度お馴染みヒナヒナでーす。初めましての人は宜しくお願いします。はい、今日はですねー、乙女ゲームの『桜色のキス』こちらをプレイしていこうと思います」
そう言ってDLしておいた『桜色のキス』を起動しました。
『ヒナヒナの新作は乙女ゲームかー』
『前作のホラゲー実況も全部見たよ!』
『初見ですが声可愛いっ!』
コメントもちらほらつき始めましたね。
今の閲覧数は‥‥えっと5000人くらいですか。
私はどちらかと言うと編集技術で閲覧数を稼ぐタイプなのですが、初回の生配信でも結構集まりました。
「まずはPVを見ますねー」
スタート画面で止めたままにしていると画面が切り替わり、PVが始まりました。
ヒロインだと思われる制服を着た黒髪の可愛らしい女の子が靴音を鳴らしながら歩いている。これは登校中でしょうか?
『桜乃たそー』と言うコメントもあるのでヒロインで間違いなさそうですね。
桜並木道を通ったところで風が吹いて、桜の花びらが空に舞う様子をヒロインが靡く髪を押さえながら見上げて、一枚の桜の花弁が画面に張り付いたところで、タイトルが浮かび上がりOPソングが流れ始めました。
そこからは攻略対象キャラ達のキャッチコピー的な一言が添えられてムービーが進んでいきます。
キャラ紹介がされているサイトを並行して見ながらムービーを見ていきます。
《僕は桜乃ちゃんがいないと‥‥ダメみたいだ》
「ふむふむ、一番最初に出てきたのは‥葉月蓮華ですね。いいじゃないですか。影のある感じは嫌いじゃないですよ」
気の強そうな切れ長の目を垂れ下げて項垂れている男の子をヒロインが抱きしめている。
《俺、お前と一緒にいる時が一番楽しいよ》
「やんちゃな中性的美少年キター!柊木遊星、クラスメイトなんですね」
ニカって感じの飾らない純粋な笑顔がたまりません!
そうしてOPは進んでいき
《多分、僕はずっと探していたんだ‥‥君のような人を》
「くぁぁああ、王子様キャラですか!えっと星崎綺羅。一つ歳上の先輩キャラですか。‥‥ん?テニス部所属。え?テニスのお‥‥何でもありません」
ふぅ、危ない。
さて、OPが終わって気になるキャラは3人。
「誰を攻略しましょうか‥‥そうですねぇ。最初は爽やかっぽい星崎綺羅にしてみますか」
その瞬間、凄い勢いでコメントが押し寄せました。
『ヤンデレ王子キター!』
『流石ヒナヒナ、一週目でヤンデレ王子を選ぶとは分かってらっしゃるw』
『そこに痺れる憧れるー』
『私も初回にヤンデレ王子を選んで‥‥バッドエンドに‥うっ、頭が』
『さwわwやwかw』
「え?え?このキャラヤンデレなんですか?」
見た目で一番爽やかそうなキャラを選んだのですが‥‥何か動くたびにキラキラなエフェクト出てますし、the乙女ゲーム攻略対象って感じかなって。
『TEが真実の愛、GEが傀儡、BEが監禁。これで察してください‥‥』
『まあ、キャラの背景的にしょうがないんだけどねー』
「えっと、TEがTrue Endで、GEがGood Endで、BEがBad Endですよね?って、え?GEで傀儡って‥‥これ、そんなヤバいゲームでしたっけ?」
中世とか異世界が舞台の命に関わる粛清とかがあるゲームなら分かるのですが。
『ヤバいのはこのキャラだけだよー』
『私は万年うじうじしてる葉月蓮華もあまり好きじゃないかなー』
『やっぱり柊木キュンしか勝たん。かわゆい』
「推しを褒めるコメはいいですが、推し以外を貶すコメはやめてくださいねー。とりあえず選んだからには星崎綺羅を攻略していきたいと思います」
入学式を経て、幼馴染みの葉月蓮華との再会をこなし‥幼馴染みに何があったのかは少し気になりますね。
さて、委員会決め。ここは部活に入るので委員会には入らない方がいいですよね。
そしてついにやってきた部活動紹介。
テニス部を選択していざテニス部へ。
女の子達の黄色い声援に手を振って応える星崎綺羅。キラキラエフェクトも絶好調です。
そこでヒロインと目が合い、近づいてくる星崎綺羅。自然にヒロインの頬に手を添えて
《君が一番綺麗だ。草原に咲く一輪の花を見つけた気分だよ》
「きゃぁぁあああ!甘い!甘いです!」
そこでコメントの方で言われた
『HTTくるか!?』
『待てっ、まだ慌てるような時間じゃない』
HTTとは私のリスナーの間で言われているヒナヒナ・トリップ・タイムの略ですね。
録画に記憶にない恥ずかしい事を色々と言っている時があったので面白いからそのまま流したらこんな略称が生まれました。
さて、ゲームに戻りましょう。
ヒロインもこれにはうっとりです。
そこで選択肢。テニス部に入るか入らないか。
勿論入るを選択します。
《僕の事が知りたければ、彼女達に色々と聞くといいよ》
そこで紹介されたのが、黄色い声援を送っていた女の子達。どうやらファンクラブのようです。
ファンクラブの中に名前付きのキャラがいますが、ライバルキャラとかでしょうか?
物語が進むにつれて、段々とこの星崎綺羅というキャラの異常性がチラついてきました。
例えば今の選択肢
《今度の休み、一緒にショッピングに行かないかい?》
・はい、いいですよ!ショッピング楽しみです
・それよりも、見たい映画があるんです。一緒に映画を観ませんか?
・すみません、その日はちょっと‥‥
これ、一番上のようなものを選ぶと確かに星崎綺羅の機嫌は良くなりますが、何かファンクラブとの親密度がどんどん上がって、このままだとファンクラブに入って何でも言う事をきく言いなりみたいに‥‥成る程、これが傀儡エンドですか。
コメントでも一番上のような選択肢を選ぶと
『あ‥‥』
みたいな反応ですし。
ただ、真ん中のような選択肢を選ぶとすっごい不機嫌になるんですよね。
まるで自分の思い通りにならなくて拗ねる子供というか‥‥
一番下のような選択肢はまだ選んだりしてませんが、これ、選んだらどうなるんですかね?
あ、そろそろ時間ですね。
「このあたりで、初回の生配信は締めたいと思いまーす。ご視聴ありがとうございましたー。良かったら第二回も見て下さいね。3日以内くらいにはアップしますので。それではまたねー!ばいばーい」
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