第2話:漆黒の蝶、現る。


 その夜、とある公爵邸に一人の男の叫び声が響いた。


「ひ、ひぃぃっ!」


 大きく開いた窓の外から、強い風が吹き込む。金の窓枠がガラスとともにガタガタ音を立て、その横では薔薇の刺繍が施された手織りのカーテンが踊るように舞っていた。

 室内に所狭しと並ぶ高価な調度品や装飾品。しかし、目の前に広がる光景には、その優雅さはわずかもない。


 部屋に置かれた蝋燭の明かりは外から吹き込む風にすべて消され、壺やランプなどの調度品も飛ばされた衝撃で床に落ち、無残に砕け散ってしまっている。


「た、助けてくれ。私が、私が悪かった!」


 贅肉ばかりが目立つだらしない身体を震わせた男が、脂汗を垂らしながら謝罪を繰り返す。その恐怖に開ききった男の目が見つめる先には、窓から差し込む月の光を浴びた少女の姿があった。


『寒い……冷たい……』


 静かに尋ねた少女は俯いているせいか、表情が読めない。ただ、声色の質から、まだ幼さが残っているのだということは分かった。


『ねぇ、どうして……どうして……私は殺されなければならなかったの……?』

「わ、私は殺してなど……」

『暗い水の中は冷たかった……苦しかった……』


 何を言っても首を横に振るだけの男に、少女が恨みごとを語りながら一歩前に踏み出る。すると少女の指先や指先や顎先、緩いウェーブのかかった長い赤茶色の髪先から雫が滴り落ちた。

彼女は全身ずぶ濡れだった。

 まるで今しがた、水の中から這い出てきたかのような少女の姿がさらに男の恐怖心を煽ったのだろう。男は半狂乱になりながら、近くにあった衣服を投げ付けた。


「くるな! こないでくれぇぇ!」

「マーグ公爵? いかがなされましたか、しっかりして下さい!」


 その時、不意に男の隣から若い男が飛び出てきた。今まで部屋の闇に紛れてしまっていたが、どうやら随分前からマーグの近くにいたらしい。

 光を弾く高級絹のような蜂蜜色の髪に同じ色の瞳。その眼差しは一目で人のよさを感じ取れる優しい色をしている。美しい形の鼻筋や唇からはまさに端整という言葉が滲み出ていて、もしここに妙齢の女性がいたなら数秒もかからず若い男の虜になっていたことだろう。


 ただそんな男の気高さも華やかさも、今のマーグにとってはどうでもうよかったようだ。


「レイナルド様、どうかお助け下さい! あの者が私を亡き者にしようとしております!」


 恐怖のあまり眼球が零れそうな勢いで瞳を見開いたマーグが、隣にいたレイナルドの袖周りがゆったりしたジュストコールの腕にしがみつく。その指の力は鮮やかに施された袖の刺繍が歪むほどだったが、助けを懇願されたレイナルドのほうには、なぜかマーグのような緊迫感はない。それどころかまるで状況が掴めないと首を傾げる始末だ。


「公爵、あの者とは一体誰のことを仰っているのです? 窓の外に誰かいるのでしょうか?」

「違います、すぐそこに! ほら、私が投げた服を踏みつけるように、侍女が一人立っているではありませんか!」

「この部屋には私と公爵以外の者はおりませんよ。ああ……もしや風に揺れるカーテンの影が、人の形に見えるのではありませんか?

「あれは影などではありません! あれは……あやつは一月前に殺した侍女です。私が見間違えるはずがない!」


 マーグが自信満々に間違っていない言い切る。その瞬間、レイナルドの柔らかな瞳に、鋭い光が刹那だけ走った。


「殺したはず? 公爵、貴方まさか侍女を殺めたのですか?」


レイナルドの顔が、どんどん険しくなる。


「っ! そ、それは……」

「貴族の侍女殺しは、いかなる理由があっても公にし、王国法廷に審議を委ねなければなりませんが、私はそのような報告は受けておりませんよ」



 この国――神に祝福されし大地と呼ばれるアウグール大陸に千年前に建国された水の都・レイストリック王国では、公爵家で使用人の死者が出た場合、必ず王国法廷に報告する決まりとなっている。理由はその者の死亡原因に権力による虐待がなかったかを、調べる必要があるからだ。

 いくら高い位を有していても、否、有しているからこそ使用人を身勝手に殺してはならない。レイストリックにはそういう規則があり、破れば公爵といえども相応の罰を受けなければならない。


 だがマーグが告白した侍女殺しの報告は、この一月王国法廷には上がっていない。


「まさか公爵は、金銭で罪を葬られたのではありませんよね」

「ち、違います、決してそんなことは―――」


 マーグが大きく首を大きく横に振って否定した時、また一歩、また一歩と少女の足がマーグの下へと向かい始めた。


『マーグ様……どうして……あんなに……あんなに尽くしたのに……』


 とうとう目の前まで迫った少女が、マーグにだけ聞こえる言葉で追い詰める。


『私はただ貴方様に……貴方様に……』


 マーグの顔を静かに覗きこんだ少女が、スッと顔を上げた。

その時に動いた前髪の間からギョロッと見開いた片目が現われ、目の前の男を憎らしげに睨みつける。


「ひぃっ、すまない! 悪かった! 私が悪かった! お前を殺めたこと認めるから、さっさと消えてくれぇぇぇぇ」


 少女と目を合わせたマーグが、これまでで一番大きな悲鳴を上げる。その後、身体を痙攣させながらガクンと膝を床に落とした。


「公爵!」


 慌ててレイナルドが、マーグの脇に腕を差し入れて身体を支える。そして大きな声で何度も名を呼ぶも、マーグからは一度も返答は戻ってこなかった。


「…………お、おい、そいつ大丈夫か?」


 沈黙が流れる室内に中性的な声が響く。マーグに迫った少女のものでも、レイナルドのものでもない少々高めの声だ。

 だがそれは明らかに少女の口元から発せられたものだった。


「どうやら気を失ったようだ」


 レイナルドに少女の声は届かないはず。なのに届いた問いかけにレイナルドは戸惑いもなく返事をかえした。


「まぁ脈拍も安定してるし、心配はいらないよ」


 マーグの首筋に指を当て、脈拍を確認していたレイナルドがマーグの状態を告げる。

少女は、結果を聞いてホッと安堵の息を吐いた。

 

「ふぅ、よかった。これで心臓発作でも起こされたら、こっちが罪人になっちまうところだからな」


 安心したところで少女はおもむろに自らの髪の毛を鷲掴み、豪快に赤茶色の鬘を取り去る。

 中から出てきたのは、淡く青みがかかったサラサラの銀糸だった。

 頭の形はレイナルドと同じように、襟足がさっぱりと切りそろえられている。


「あー、疲れた。ってか鬘って結構頭締めつけるもんなんだな」


 いまだ女性用のドレスを着用しままではあるが、首から上は立派な少年――と本人は言いたいところだったが素に戻ってもクルッと天を向く長い睫と、零れそうなほど大きな瞳は変わらないため、このまま美少女と偽っても万人を騙せるであろう。ただし、それを思春期真っ只中のに言うと、忽ち眉間に三本の皺が寄るので、彼を知る者は決して口にしてはいけない――リュスカ=ランゼルは、顔を顰めながら痛む頭の皮膚を撫でる。


「人を殺しても平然としてる人間なんだから、少しぐらい脅かしたところで死にはしないさ。……それはさておき、本人からの証言も得られたことだし、この御仁にはあとはこちらのほうで正当な捌きを下しておくよ」

「ああ、頼んだ。こっからは俺の領分じゃないからな」

「よし、では今回の事件はこれで一件落着ということにしようか!」


 気を失ったマーグをソファーに寝かせたレイナルドが、ダンスのターンを決めるがごとく振り返り、明るい声で任務終了を宣言した。その口調はさっきマーグと話していた堅苦しいものとは違って随分と砕けている。

 さらにどこか取り出したのかレイナルドは厚手の布を大きく広げると、あたかも「私の胸に飛び込んでおいで」と言わんばかりの格好まで披露した。


「お疲れ様、私の可愛いリュスカ。今日は水浸しにならなきゃならいけなかったから大変だったね。さぁ、身体を拭いてあげるからこっちにおいで」


 語りかける言葉も動きもどこか大袈裟で、思わず「アンタは民衆歌劇の役者か」と突っ込みたくなる。が、芝居の疲れもあったためやめておく。


「ん? 何で後ろに下がるんだい? ほら早く。私がこの胸の中に抱き入れて、温めながら拭いてあげるから」

「いや、謹んで遠慮しておく」


 間違って飛び込んだものなら、自分は男として大切なものを失う気がする。そんな予感をひしひしと感じたリュスカは、さらに一歩下がった。


「そんなに恥ずかしがらなくてもいいじゃないか。五年前、リュスカがまだこんなに小さかった時は、私が毎日のようにお風呂に入れてあげてたんだから」


 言いながら布を持ったレイナルドの指が、当時の記憶を再現する。おそらく赤ん坊を扱っている動きなのだと思うが、その指の動きが若干怪しい。



「あの時は栄養失調で動けなかったから、仕方なく入れて貰っただけだ。それに、その時の俺はもっと大きかった!」

「そうかな? 私から見たら、リュスカの可愛らしさは五年前と全く変わらないよ」

「つまり何だ、レイナルドは俺の身長が五年前から伸びてないって言いたいんだな?」


 リュスカの額に、ありありと青筋が立つ。

 今年十五歳になるリュスカはまだ身体が成長段階のため、全体的に華奢だ。ただそれでも、あの頃から比べれば確実に身長は伸びているはず。実際、出会った時はレイナルドの腹部までしか届かなかった頭が、今や胸の辺りまできているのだから。


「勿論、リュスカが成長していることは知っているよ。でもちゃんとその成長を実感するには、隅々まで触って確かめるのが一番だ」

「あたかも正当であるかのように、無茶苦茶なこと言ってんじゃねぇよ。それに触るだけで成長してるかどうかなんて分かるかよ」

「分かるよ。ちゃんと寝台に寝かせて、隅々まで触って、奥まで開いて、それから―――」

「とりあえず今すぐ王国法廷に自首して裁かれろ。このド変態王子」


 リュスカは本気で殴りたい衝動に駆られながらも、同時に情けなくなった。

 これが七十万の民を統べる現レイストリック国王アーガトンの第二子、レイナルド=ヴァンデル=レイストリックの真の姿だなんて誰が信じるか。

 スラリと伸びた長い手足に釣り合う理想的な長身に、剣を扱えば王国を守る騎士団長とも互角と言われるほどの筋力。それなのに全身から育ちのよさが惜しみなく漂ってくる。

 腰元に佩いている金の装飾が施された立派な剣も、レイナルドが放つ気高さを称えているというのに。

 中身がこんな、だなんて。

 天は二物を与えずというが彼の場合、容姿に剣の腕に地位に、といろいろ与えすぎてしまったがために癖で調節されてしまったのだろうか。

 時折、本気で頭を抱えたくなる時がある。

 しかし―――そんな奇矯な人間性を持っているレイナルドにも、称賛すべき点はある。

 レイナルドは王族でありながら、権力者の悪行を許さない人間だ。



 この国は王族を中心とした封建制で成っている。がゆえに、その者が持つ地位で様々なものに大きな差が生まれる。その中でも特に明暗を分けているのが賃金なのだが、庶民と貴族の間では実はもう一つ大きな差があった。



 それが、『貴族の犯罪に対する超法規的措置』だ。

 たとえば誰かが悪行を犯した場合、その者は捕まれば王国法廷が定める掟によって厳格に裁かれる決まりとなっている。無論、法律上は貴族も同じだ。しかし貴族は金銭の授受によって裏で減刑、または罪自体が帳消しされる。

 つまり貴族は罪を犯しても裁かれない。

 これまでの歴史の中、多くの王族が権力によって罪を闇に葬ってきたそうだ。レイナルド自身も幼い頃からそういった汚い場面を目にしたことがあるらしい。そんな悪行に対する嫌悪から、レイナルドは十数年という月日をかけて綿密に計画し、とうとう二年前に貴族の悪行を秘密裏に裁く裏組織『漆黒の蝶』を創設した。


 漆黒の蝶は王国内で起こった事件や事故の中でレイナルドが不審に思った案件を抜き出し、組織内へと持ち込むところから始まる。それからリュスカを含めた三人の仲間で調査し、案件が貴族による悪行と断定したら裁きを下す、という流れになっている。

 だが裁きといっても相手の命を奪うことは決してしない。ならばどうするかといえば今夜のように様々な『特異的』な方法を用いて罪人から自白を引き出し、レイナルドが証拠として握る。そして公の場に出頭させるのだ。

 そうやって漆黒の蝶は、これまでの二年間で何人もの貴族の罪を暴いてきた。


 今回のマーグの事件も手法は同じ。一月前、王国の西にある湖でマーグ家の侍女が遺体で見つかった。本来ならここですぐに王国法廷が動くはずなのだが、半月経っても何の進展も見られず、挙げ句侍女は不慮の事故として結論づけられた。これを不審にレイナルドが動き、漆黒の蝶が秘密裏に調べた結果、侍女はマーグによって殺され湖に沈められていたことが分かったのだ。


 ただ、事件の証拠はすでに消されてしまっている。

 侍女の死因を鑑定した役人も、法廷の人間も金を掴まされている。

こうなると正当な方法での解決は難しい。とのことでレイナルドが考えた作戦が先程の芝居――――殺された侍女の霊に扮したリュスカが、マーグに迫って自白を誘導するというものだったのだ。


「ああ! こんなところで余計なことしてて、そいつが目でも覚ましたらどうするんだよ。俺らのことがバレるだろ!」

「うーん、それは困るね。まだまだ王国内には罪を隠している人間はたくさんいるし、それにリュスカの女装もたくさん見たいし」

「寝言は寝てから言え。とにかく俺は先に部屋に戻ってるから、あとはよろしくな」

「はいはい。了解、また後でね」

 

 質のいいクラヴァットを揺らしながらレイナルドより飛ばされた投げキスを華麗に躱し、開いていた窓枠に足をかけるとリュスカはひょいっと軽々と近くの木に飛び移った。マーグの部屋は屋敷の三階部にあるが、リュスカが怖がる様子はない。そして木の間を飛び移ってもほとんど音が立たない。


「よっと」


 やがて飛び降りても怪我をすることがない高さまで降りてきたリュスカが、舞うように地上へと飛ぶ。

しかし降りてすぐに、近くで人が動く気配がリュスカの耳に届いた。


「誰だっ!」


 気配を消していたはずなのに。リュスカが驚きつつも鋭い眼光で気配のほうを睨みつけると、そこには王国騎士団の白甲冑を装着した男が立っていた。

 レイナルドよりも高さのある上背に鍛え上げられた逞しい体躯は、おそらく王国騎士団の厳しい訓練を重ねて作り上げたものだろう。

 だがそんな羨ましい体格とは真逆で、男の容貌は物静かで紳士的な印象を抱かせるものだった。落ち着きのある灰茶色の髪は邪魔にならない長さで揃えられており、そこからも真面目さが窺える。

 さらに彼からはレイナルドと同じ、生まれからくる気品さがあった。

 それもそのはずだ、彼は由緒ある侯爵家の人間なのだから。



「……って、アランかよ。驚かすなって」

「驚かせたなら悪かった。そろそろ戻ってくる頃だと思って待っていたら、リュスカの気配が風に乗ってきたものだから」



 完全に消したはずのリュスカの気配をいとも簡単に感じ取ったと言ってみせた男、アラン=コラロルは王国騎士団に所属する貴族騎士だ。そして同時に、リュスカと同じ漆黒の蝶の一員でもある。


「こっちこそ睨んで悪い。で、外のほうは?」

「ああ、屋敷の周りを三度ほど見回ったが、人がくる様子はなかった。そっちは?」


 今夜のアランの仕事はリュスカたちがマーグから自白を引き出す間、マーグ邸の周囲を見張る役目であった。漆黒の蝶はその性質から決して公になってはならない。もし公になれば貴族への脅迫罪を問われレイナルドは王位継承権の剥奪、リュスカなんて確実に死罪が言い渡される。ゆえの見張りは重要だ。


「マーグから侍女殺しの自白が取れた。今夜も任務大成功だ」

「そうか、それはよかった」



 侍女殺しの真相が法廷で明らかになると決まったことに、アランは少しだけ目を細めて嬉しそうに呟いた。

 王国騎士としての正義感か、または生まれもっての優しさか。アランは他者を思いやる心が深い。自分はまだ自身ののことでいっぱいで面識もない他人をそこまで思いやれる器量はないが、自分もアランぐらいの年になったら人を思いやれる人間になれるのだろうか。リュスカは一瞬考えてはみたが、将来像を上手く想像することはできなかった。


「そろそろ帰ろうぜ」

「そうだな。……ん? リュスカ、その足」


 何かに気づいたアランが、歩き出そうとしたリュスカを止める。差された指の示す先に視線を向けると、露わとなったリュスカの膝から伝る血の雫が目に入った。


「ああ、多分木の間を渡ってる時に切ったんだと思う。ホラ、これ女物だからいつもと勝手が違ってさ」


 いつもなら身動きが取れやすい服を着ているのだが、今日は女性用のドレスでしかも濡れていたため布が腕や足に張りついて移動が少々困難だった。そう説明するとアランもリュスカの格好を見て「確かに動きにくそうだ」と相槌を打った。


「それぐらいの傷なら心配はいらないと思うが、念のため部屋に戻ったら、ラッセルに薬を塗って貰うといい」


 アランから『ラッセルの薬』という単語が出てきた瞬間に、リュスカの全身が固まる。


「はぁ? そんなのいらねぇよ。あいつの薬使うと後が大変なんだから」


 場で名が上がったラッセルも漆黒の蝶の仲間の一人だ。彼は王立創薬研究所に属するほど薬学の知識が高く、人としても信頼できる人物であるのだが、作る薬はどれも酷く傷口に染みるものばかりなのでできれば敬遠したい。



「それは否定しないが、ラッセルの薬は普通のものより治りが早い。切り傷は化膿の心配もあるから、用心して貰っておいたほうがいい」

「俺は人よりも傷の治りが早いから平気だって。今まで一度も化膿したことなんてないし」


 何がなんでもあの男の薬だけは使いたくない。リュスカは幼い子供が医者を嫌って、母親から逃げようとするかのごとく様々な理由をつけて拒絶する。

 しかし言い切った後でアランを見ると、目が笑っていなかった。


 無言の心配。否、威圧。


「あぁっ! 分かったよ、ちゃんとラッセルに診て貰うから! だから無言で訴えるのだけはやめてくれ!」


 アランという男。人に優しいところはいいのだが、年頃の娘を心配する父親のごとく過保護さを向けられると背中が痒くなる。こう見えて頑固な部分も持つアランは、きっとリュスカがきちんと治療を受けたかどうか見届けるまで離れないだろう。


 ――せっかく気分よく任務終えたのに、一気に気分がどん底だ。


 観念したリュスカは、今から薬の痛みに身構えるのだった。


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