第1章 少年王とキリヤ公国建国創生記編

キリヤ公国建国史 第1回 キリヤ公国建国っ!!

  地球世界・西暦2007年・7月15日。午後22時15分頃。


 桐谷勇治は、日本国・千葉県・船橋市の船橋市民病院で産まれる。


 それから13年後の地球世界・西暦2020年に世界神アルテジアと新米世界神ユイテルシアのミスにより神災が発生し、船橋市と習志野市との境近くに、直径数センチ程度の隕石落下が複数落下し、湾岸地域を中心とした大規模な爆発事故が発生した。


 運悪く巻き込まれてしまった勇治は、粉微塵に吹き飛んだと日本国政府と千葉県庁は発表した。



マギアンティア世界統一暦・1554年・1月25日。


 世界神アルテジア手に由って魂を救われた勇治は、異世界マギアンティアへと転生転移させて貰い、新たな人生をスタートさせる。


 ガリアナ王国の東部のクエルナ町の近くに転移した彼は、クエルナ町の商工会や冒険者ギルドマスターをやって居たレイラ・ハルトマンに拾われ、義弟として迎えられ、後見人成って貰う。


 その年12月に、自身の独立を目的に預貯金の獲得するべく、短期で応募して居たガリアナ王国の王宮の雑用下男仕事を引き受ける為にレイラの元を一旦離れて、王都のギルド寮に向う。


 翌年に起こった国王暗殺事件の咎で取り抑えられそうになった所を、レイラが必死に彼の弁護をしつつ、無実を証明するべく犯行手口と犯人を言い当てろと王政府から言われて、その事件の無実をあっさりと証明して見せた。


 犯人はゴウーイーン・ゴーマンなる地方侯爵系貴族で、この時代のガリアナ王国の実権を握ろうと暗躍して居た事が背景に在った。



 この事件の前後から貴族、他国からの求婚やお見合いの話にうんざりしていたガリアナの王女であるセレジアーナ・ユリテリア・ガリアナ王女は、毅然とした態度で犯人を突き止め、王国の危機と自身の貞操を守った勇治と結婚したいと父親であるジンバル・ユリテリア・ガリアナ国王に向かって、事件解決の現場で宣言をする。


マギアンティア世界統一暦・1555年・1月1日。


 ガリアナ王国政府と王室は、年始祝賀パーティー会場とガリアナ王国王城・ユリテリア・ガリアナ城・謁見バルコニー庭園広場で、桐谷勇治とセレジアーナ・ユリテリア・ガリアナ王女は婚約を発表。


その事前の序では在るが、国王暗殺事件の裁可も発表される。


 マギアンティア世界史上に措いて、稀に見る身分差を持ったカップルの誕生に世界中が驚愕したと言う。


この時、ガリアナ王国の国王、ジンバル・ユリテリア・ガリアナ国王は、この世界でも身寄りも身分の無い下男である勇治の事を、王族と結婚する為の最低限で誰も文句の付けて来られないようにするべく。


 ユーラシアン大陸南東部地方の殆んど統治して居るガリアナ王国の国土の内、東部方面領土たるガリアナ王国領・東部領イーステァ地方領を分割割譲して、独立国の国王へと祭り上げる事を宣言。


これが後のキリヤ公国と成る。


キリヤ公国の建国日は、勇治とセレジアとが婚約発表を発した日であるマギアンティア世界統一暦・1555年・1月1日と成って居る。


 ジンバルは、一人娘であるセレジア王女が勇治に嫁ぐ事に成り、後継者が空位と成るが、二人の子供の内に2番目に出来た子供を跡目と言う取り決めをして居るが、万が一の場合は勇治を国王とする桐谷王朝へと移譲する事も取り決められた。


 後にガリアナ王国は、勇治とセレジアの後見を受けた形で、二人の第二子が跡目を継いで居るが、事実上のキリヤ公国連邦共和国の傀儡国家と成った。



マギアンティア世界統一暦・1555年・2月7日。


 勇治とセレジアの二人は、セレジア付きの家臣団と共に、ガリアナ王国領・東部領イーステァ地方領へと移住する事を決意。


 セレジアの両親達からは、形ばかりの代官統治で構わないと言うが、それでは国民達に嘘を吐いた事に成ると言ったセレジアは、両親達から独立する事を決め、結婚前の同棲生活を始めるべく、領有地域への移住する事を決めた。


 翌月の3月7日。ガリアナ王国の首都である王都パリティ市を出発してから一月が経過して居た。


 キリヤ公国公王・引っ越し行列隊は、馬車・荷馬車等を含めると700台。騎馬隊3000名・歩兵軍6000名等を含め、お世話係を含めた付く沿い人が2500名も居いた為、それなりに大きな街道を選んで進む必要があったと言う。

 

 勇治達は、引っ越し先と成るキリヤ公国とは隣国領と成るテレジア侯爵領の領主、スコット・テレジア侯爵の居る主都・テレジカ―ラ市、テレジカ―ラ城へと立ち寄る。


 此処はセレジアの近衛騎士隊長を務めて居るマリアナ・テレジアの実家でも在る。

 勇治はキリヤ公国本国と公王都キリヤ市とはお隣同士なので今後とも宜しくお願い致しますと言う挨拶を交わす。


  そんなスコット侯爵は、ニコニコ笑顔で此方こそと握手を交わすが、なにやら企んでいる様な気がしたので、勇治はこの世界で実家として居るクエルナ町へと訪問し、クエルナ町の商工協会と冒険者協会の公共庁舎であるクエルナ町商工・冒険総合協会のギルドマスターを務めて居るレイラ・ハルトマンと合流する。


 レイラは勇治に乞われて、キリヤ公国の家臣の一人として取り立てるから、キリヤ公国へと一緒に移住しようと持ち掛けられて居た。


 レイラも折角の誘いたがらと言う事で移住を決意、引っ越しする事にしたのであった。


 しかしながら合流する予定であったレイラは、クエルナ町商工・冒険総合協会のギルドマスターの業務引き継ぎが遅れて居ると告げられ、それにキリが付いたら後を追い掛けると述べて、勇治との合流を断念する事と成ってしまう。


 


 そんな訳でそれから二日後の3月9日の事である。


 レイラとの合流を諦めてガリアナ王国領・東部領イーステァ地方領へとやって来た二人は、キリヤ公国の建国に伴い統治者である勇治の名を取って、同地方の名前をキリヤ地方と改名し名付けると共に、各地方も勇治に所縁の在る名に改名して行く事に成る。


 翌日から勇治の魔法を使って、キリヤ城と公王都キリヤ市を建設し、移住者を募集を開始。


同月28日。


 勇治はクエルナ町から呼び寄せたレイラとその伝手を頼りに呼びかけに応じてくれた様々な出自の人達と一緒に成って国作りを開始する。


 人手が無い部分を補うのに、勇治は特殊魔法で様々な物資を取り寄せたり、建物を建設したりと大忙しだったと言う。


 夏の作付けには、大麦や小麦を中心に生産を進めて畑作で取れる種類を地域ごとに合った作物を割り振って植えた。


 次に加工品用の作物を使って酒類やジュースになんかに使える果物の木々を植えたり、収穫後に必要な工場の機材と建物等をタブレットで取り寄せて、簡素だけど生産工場を立ち上げて、将来向けての準備を整えた。






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