第26話

「うしゃぎしゃんりんごー。あまあまおいちかったでしゅ」


 むふーってなって、お手手でほっぺたおさえちゃいます!


 うさぎさん、かわいくておいしかったですー!

お目目もあまあまだったの。

真っ赤なお耳もかわいかったです!

ぴょん太とお色が違うけど、ぴょん太もうさぎさん見れて嬉しいはずです。

横のぴょん太を見ると、ごまんえつーって感じでした。


 うむうむ。


 ぴょん太も僕も大まんぞくー!なのです!

だから、作ってくれたゴドフリーには、お礼を言わなくちゃだめなのです!

 うむうむ!


 ゴドフリーはすごいのです。

 いつもおいしいお料理を作ってくれます!

にい様もねえ様もおいしいって言ってます。家族みんながゴドフリーの料理大好きです。

 あまあまのおかしも、かわいいおかしも作ってくれます。

 でも、たまに緑のにがにがとか白のからからとか出てくるのが、僕は不満です。

ぶうぅーっ!てエリーナに文句を言ったけど、大きくなる為には必要ですよって。


 うー。あまあまとうまうまだけでも大きくなれるのになあ……。

とう様もかあ様も残さず食べなさいって言うから、だからいつも我慢して食べてます。

 ゴドフリーが頑張って、にがにがとからからをうまうまに変えてくれたらなあ……。

 ううっ……。

でも、それ以外はほんっとうにおいしいのです!

なので、ゴドフリーに感謝の気持ちを伝えるのです!

そして、にがにがとからからをうまうまにっ!


「マティアス。ゴドフィーに、ありがちょ言いたいでしゅ」


 ゴドフリーについては、直接マティアスに言った方がいいってエリーナが。

 しつじさんだからかな?

前、エリーナにお願いしたらお馬さんがって言ってたのが、僕分かんなかったよ。

 お馬さんどうしたのかな?

エリーナはお馬さんの事教えてくれなかったけど、かわりにマティアスにお願いしたら、ゴドフリーが喜ぶって教えてくれたよ。


「でしたら、私から坊っちゃまのお言葉を伝えましょう。ゴドフリーも涙を流して喜ぶ事でしょう」

「ゴドフィー、マティアスからなら、うれちうれちだもんね」

「私からでなくても、坊っちゃまからのお言葉を伝えられましたら、嬉しいと思いますよ」

「うゆ?

 エリーナ、マティアス、ゴドフィーうれちうれち言ってたでしゅよ?」

「あわわっ! 坊っちゃま! しーです! しー!」

「ほーう。エリーナ、後で話があります」

「は、はいぃー……」


 う? エリーナぷるぷるしてますよ?

寒いのかなぁ?


「エリーナ、風邪でしゅか?」

「ぼ、坊っちゃま、私のことは気にせずにっ! そう、そうです!

 歯磨きしてお部屋に戻りましょうねっ!」

「しゃかしゃかします! しゃかしゃか終わったらお外でしゅ!」

「坊っちゃま。大変申し訳ございません。

 暫くの間、お外でのお遊びは出来なくなりました」


 うえっ!?


「お外、いい天気でしゅよ。お外ぽかぽかいいでしゅよ」

「ユールリウス坊っちゃまがお外でお倒れになった事を踏まえて、旦那様、奥様が一度敷地内のチェックをすると。

 そのチェックが終わらない限り許可が出ません」

「ぶうぅーっ!!

 ぴょん太もお外あしょびたい言ってましゅ!」

「お可愛らしいお顔を作っても駄目ですよ。

 ピョンタ殿は暫くお部屋で遊びたいと申しておりますよ」

「ううー。ちあいましゅ!

 ぴょん太はうさしゃん、お外でぴょんぴょんしたいでしゅ!」


 ううー。

 とう様もかあ様もマティアスも意地悪です。


 今日はありさんのお家探しの日なのですよ!

ありさんと約束してたのです!

それにぴょん太も楽しみにしてたもん!

お目目がぴょんぴょんしたいって言ってたもん!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る