30日物書きチャレンジ

蜜柑

6。架空グルメ

 このあいだ、母が絵の本を買ってきました。そこにあった料理「野草のカルパッチョ」を作ろうと思って、ぼくはお庭でいろんなものを取ってきて、母に台所のシヨウキョカを取って、野草のカルパッチョを作りました。

 でも、カルパッチョってなにかわからないから、おなべを使って材料を全部にて、おたまじゃくしですくってフライパンに入れて、母がするようにジャージャーとかきまぜました。それから塩コショウをパラパラふって、ぼくが好きなチーズもパラパラのせました。

 チーズが溶けてでろんとして、ジュゥゥといいにおいがいっぱいに広がり、ぼくはしんこきゅうしました。するとうっかり火を消しわすれたので、母にちょっとおこられました。

 ぼくはいつもご飯を作ってくれる母に、まず食べさせてあげることにしました。白いお皿にぼくの野草のカルパッチョがのっています。でもつやつやのチーズしか見えません。母はチーズの下の草をチーズでくるんで、パクッと一口、二口。そのまま全部食べてしまいました。ぼくの分も食べてしまいました。

 でも美味しいと言ってくれたから、ゆるしてあげました。それから母は、何を使って作ったの?とぼくに聞きました。ぼくは「カラスノエンドウとたんぽぽと、もう一つは内緒」と答えました。こういうのを「かくし味」と言います。

 けど、先生には教えてあげます。ぼくがかくし味に入れたのは、ショウジョウバッタでした。ぼくが一番好きな昆虫です。きっとプチッとしておいしかったのだと思います。次に料理する時はこんどこそショウジョウバッタを食べたいです。

 三年一組 ──────

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