トムヤムクン

トムヤムクンとは何故か窮地の間柄のような気がしてならない

外国を旅したこともないし

スパイシーな友人を持った覚えだってないのに


彼の生き方も、彼の矜持の由縁も

何一つ知らないのに、こんなに親しみを覚えるのは何故だろう


初めて会った気がしない

そんな映画みたいな台詞が頭に浮かぶなんて

思いも寄らなかった


打てば響くような君の刺激的なジョーク

僕はもう虜になってしまった

君がいないとき、君の名前を呟くには

もう感慨深げにならざるを得ない

トムヤムクン、ああトムヤムクン


君ともう少し早く出逢えていたら

時間を戻せたらどんなにいいか

ベストな答えは大概、もう遅すぎる


……届かない夢想は香辛料よりもスパイシーさ……

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