代表が宣戦布告致します

いちご狩りに出たはずが

いつの間にやら

野いちごの森に迷い込んでいた


白いスニーカー、赤に染まって、様変わり

薄汚れた一点物のヴィンテージ


葉合の影から覗く蛇が

野いちごを嚥下して

喉ごしこそが食のすべてだと

騒ぎ立て

草木を掻き分け現れた

熊までもが、それに同調しだす


いいから、噛まずに呑むんだよ

蛇と熊に恫喝され

野いちごを嚥下すると

喉の奥から立ち上る

爽やかな香り


事後報告でいいんだよ

事実こそがすべてだろ

首に巻き付かれ

肩を組まれ

同調圧力極まって

固定観念融解し

品種改良に憎悪覚える


そして、いつの間にか私は

人類に反旗を翻す

森の代表として

矢面に立たされていた

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