時計瞳孔

君は駅前で、自動販売機みたいに佇んでいた

君も僕に気が付いて、ハンドバックをショベルカーみたいに持ち上げて

時計みたいに微笑んだ、:チックタック:音を立てて笑う


君は一眼レフみたいな瞳で、僕を見上げた

そして、餅つき機みたいな声で

:久しぶり:と言った


君は目覚まし時計みたいな声で:早く行こう:と言うと

マッサージチェアみたいな手つきで、僕の手を取った

歩いている間、君はデジタル時計みたいに黙ってた


君は竜頭のように首を回して、僕を見た


:早くしないと映画が始まっちゃう:

のんびり屋な僕を急かす君の声は

なんだか人間みたいだった

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