君を追って森の中

小川に掛かる大木

その前で振り向き君は

逃げないでと呟いた


こっちのセリフだと言う間もなく

君は大木を渡り始めた

小鳥は何を思って

鳴いているのかしら?

まるで小鳥のような君の声


楽しいの? 泣かないで? 怒ってるなら謝るわ

それとも何も考えてない?

こんなに鳴いてるってのに

何も考えてないの?


君に群がる小鳥たち

まんざらでもなさそうに君は

鷲使いのように右手をかざす

君の肩、手首、手の甲にとまる小鳥たち


なになに、教えて?

なんて?

へぇ、そうなの?

実は私もなのよ


飛び立つ小鳥に目を奪われていると

君はいつの間にか

こちらを向いて笑っていた


やっぱりあの子たち、なぁんにも考えてないんだって

おかしいわよね?

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