四重八重

眠れない歌

四季たちの四重奏

指揮者はタクトで喉をつらぬき

不在を埋める追想は

不眠の病と均一に


浮かぶ蓮の葉は風に乗り

水平線に消えていく

地続きの明日は

始まったのか

ただ、今日が終わらないのか


嘆くのは誰だろう

明日を望まず泣いている

乾いた笑い

寝返りは今日と明日の

分水嶺


八重桜の狂い咲き

千年の夢

犬がなく、ここ掘れと、犬がなく、ここ掘れと

桜の花弁、湿って真っ赤

犬がなく、ここ掘れと


眠れない歌

四季たちの四重奏

指揮者はタクトで喉をつらぬき

不在を埋める追想は

不眠の病と均一に

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