あまりに無慈悲な子守唄

動物愛護法は

詩的な祈り

形骸化とは無縁の

形式美とは対極の

切実な霊魂の震動


原色の境界線さながらの

切れ味で語られるのは

数字に殺された若い魂への

子守唄


動物愛護法は

詩的な祈り

形骸化とは無縁の

形式美とは対極の

切実な霊魂の震動


孤立無援は

想定済みの確かな思い

焦燥に遅すぎることは

決してない


動物愛護法は

詩的な祈り

形骸化とは無縁の

形式美とは対極の

切実な霊魂の震動


飢えの苦しみは

満腹の苦しみでしか

あがなえない

マイナスの悲しみが切なくて

プラスの悲しみが虚しくて


動物愛護法は

詩的な祈り

形骸化とは無縁の

形式美とは対極の

切実な霊魂の震動


数字に切り刻まれた魂の

余りを合わせたら

いったいどれだけの

魂が出来上がるのだろう

こんな無慈悲な想像は

許されることのない神への冒涜


動物愛護法は

詩的な祈り

形骸化とは無縁の

形式美とは対極の

切実な霊魂の震動


太陽は不吉の証

数式にぶつ切りにされて

他の誰かへの優しさにくるまれて

唯一それを弔うのは

道端の汚いカラスたち

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