11.
「リオ! 何かあったのか?」
「もしかしてシオンと何かあった?」
「お兄ちゃん、レオンくん。」
さっきあったことを2人に話すと何故か笑われた。私はすごく傷ついたのに! 確かに中身だけで考えたら大人気ないことしたよね、私。見た目に精神年齢が引っ張られて自分を制御出来ないのが悔しい。
「シオンのことだから相手のことを考えた結果だよね。まぁ、リオちゃんの味方をしなかったシオンも少しは悪いかもしれないけれどね。」
キョトン、という顔をすると
「そいつの話を無視してリオの味方をしたかったと思うぞ、シオンは。でも、そうしたらそいつが学校に居ずらくなるだろ?」
本当だ。私そんなことも考えないで……。私たちが敵視してるなんて思われたら虐められてしまうかもしれない。でも、それでもいいんじゃないかと思った私は最低だよね。出来るならシオンには他の女の子と話して欲しくない。私、メンヘラすぎる……。
「シオンは優しすぎるんだよ。好きならリオのことだけを考えたらいいのによ。」
お兄ちゃんと違って一条兄弟は他人のことを考えられるんだよ。まぁ、私もお兄ちゃんと、同類だったんだけど。私はシオンに謝りに行こうと外へ出たがお兄ちゃんのあっ、という言葉と同時に視界をさえぎられた。その瞬間見えたのは先程の女の子とシオンがキスしているところ。涙が止まらないってこういうことを言うんだ。私は意識を手放してしまった。
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入学式終わっちゃったよね。ママたちに頑張って返事するって約束したのに。気がつくと私は保健室にいた。ママたちはわざわざ休みを取ってくれていたのに私がいないと知ったら怒るだろうか。いや、悲しむかな。
私、やっぱりシオンを好きになっちゃいけないのかもしれない。ゲームの強制力だって少なからず存在する。それなら、私はシオンと距離をおこう。もう希望を持ちたくない。傷つきたくない。今までありがとうシオン。こんな私を好きだと言ってくれて。私はシオンのことこれからもずっと大好きだよ。
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「リオ! 倒れたって聞いて……代表の挨拶がなかったら付き添ったんだけど無理矢理連れていかれて……。」
大丈夫なわけないよ。好きな人が違う女の子とキスしてるところを見たんだから。シオンも嫌がるんじゃなくて真っ赤になってただけだったし。
「シオン、私に隠してる事ない?」
「……ないよ?」
「そっか。……もうシオンとなんて嫌い! 帰って!」
「え、どうして……」
「私も浮気してやるんだからっ!」
シオンは?を浮かべた表情から急にこわい顔浮かべ始めた。
「は?」
シオンを好きで傷つくならば私は他に好きな人を見つければいいんだ。私にしてはいい考えかもしれない。人気のあるシオンだから他にも女の子が寄ってくるんだ。それで私がヤキモチを焼いてしまうという負の連鎖……。シオン以上に好きだと思う人はいないかもしれないけど2番手なら……! ついでに保育園では出来なかった友達を作るチャンスだよね!
「だめだよ、何考えてるか分からないけど許さないから。」
「シオンだってさっきの子とちゅーしたじゃない! あ……」
これはシオンに言うつもりのなかった言葉だ。でも、もう止まってくれない。
「他の子とちゅーするシオンなんて嫌い!」
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