第29話 demon
美味しい料理に美味しい飲み物。
ここは、本当にどこなのだろう?
あれ?アーチ形の窓の向こうに大きな木がある。
あんなところに窓があったけ?
それに、大きな木も?
ハキは、手に持っているホークをテーブルに置いて立ち上がった。
アーチ形の窓から身体を乗り出し外を見る。
中庭なのかな?
大きいな木に赤い実が生っている。
林檎?
出口を探す。
すぐ先に、アーチ形の扉ない出口があった。
そこから外に出た。
心地よい風が吹き、草木の匂いを運んだ。
大きな木に近づき、一番近くにある赤い実を触ろうとした。
「その実が欲しいか?」
「ならば、等価の代償を。」
木から声が聞こえた?
等価の代償…
私は、その言葉で目覚めた。
自分の両手を見る。
私の手だ。
何か、ずっと夢心地だった。
いつからだろう?
辺りを見回す。
この幻想的な庭は…
人類の始まりの場所?
此処は聖堂の地下なのだろうか?
それとも、時を越えたどこかなのだろうか?
「キャーーーーーッ!」
アーチ形の窓の向こう側から女性の悲鳴が響いた。
私は、悲鳴の聞こえた場所に瞬間移動した。
腕をから血を流している女性が目の前にいる。
私は、咄嗟にテーブル上の綺麗に畳まれたナプキンを取り女性の腕に巻き止血した。
女性は、震えている。
私の背後で綺麗な白色ドレスを着ている女性と焦げ茶色のぼろぼろのローブに身を包んだ何かが闘っている。
そう思った瞬間に、私は言葉を放った。
「我が剣をいでろ。」
白色ドレスの女性とぼろぼろのローブの化物の間に割って入った。
キュイィィィィーーーー!
私の剣と|ローブの怪物の短刀が交じあった。
ローブの怪物は、空かさず斬激を繰り出す。
双剣使いか。
斬激が左右から飛んでくる押されている私に、白色ドレスの女性が加戦する。
ローブの怪物の後方を攻める白色ドレス。
ローブの怪物は、後頭部に眼があるかのように背後の攻撃を交わしながら私に斬激を繰り出す。
でも、先程よりて手数が減った。
そこだ!
私は、ローブの化物が背後からの攻撃を避ける身体の動きに合わせて斬激を放った。
ギィゥィィィーーーー!
私の斬激を短刀で受け止めた。
しかし私は剣を振り切った。
旋風が起きローブの化物が後方に弾け飛んだ。
私は、ローブの化物が弾け飛んだ位置まで加速した。
倒れ込んだローブの化物に次の斬激を出そうと剣を振り下ろした時、背後に気配を感じた。
私は、斬激を途中で止めそのまま真横にスライドした。
背後を確認すると新たに一体、ぼろぼろのローブに身を包んだ怪物が現れていた。
白色ドレスの女性の喉に向け剣を繰り出している。
私は、自分の剣を新しいローブの化物の手に放った。
私の剣は、ローブの怪物の手に刺さり、ローブの怪物は、自分の剣を落とした。
私はすぐさま、ローブの怪物に詰め寄り、剣の柄を握り、ローブの怪物の手ごと床に突き刺した。
「ウーーーー!」
ローブの怪物が痛みのあまり悲鳴を上げた。
「ウ、ウ、ウーゥゥ。」
何かを言っている。
でも、何を言っているかわからない。
私は、床に落ちているローブの怪物の剣を脚で蹴りあげ左手で掴んだ。
空かさず、その剣先をローブの怪物の頭めがけ振り落とした。
…振り落としたはずだった。
ボッコン!ドッサ‥
私は、後方の壁まで弾き出飛ばされ背中を壁に強打して、床に落ちた。
何が起きた?
顔を上げる。
私のいた場所に、正拳突き後の形の姿勢の女性がいた。
黒髪に丸顔、小さい口、
童顔がそう思わせるのか?
日本人かな?
「ハキ、現実を見違えないで。」
現実を見違え?
日本語がたどたどしい童顔の女性。
韓国人かな?
服装も韓服の生地で忍者衣装を作った感じだ。
「その服、かわいいね。」
頭の中で声がした。
…私の声だ。
幼い時の私の声。
黒髪の女性の服と同じような服を見たことある。
子供の時に。
相手も子供だ。
私より年上のお姉…
私は、思考を止めた。
黒髪の女性の背後でローブの怪物が手に突き刺さった剣を抜き、白色ドレスの女性に襲いかかろうとしているのが見えた。
「我が剣よ。我の元へ。」
私は、剣を手元に呼び戻し、斬激を出すため剣を横一文字に振ろうとした瞬間…
ガッチーーーーーーーン!
金属音が耳に響いた。
黒髪の女性が一気に間合いを詰めて腕で私の斬激を止めた。
黒髪の女性の腕を見る。
黄金のプロテクター?
こんなもの付けていたか?
次の攻撃が来る。
黒髪の女性の右腕に力が集まりだしている。
その力は黄金のプロテクターに代わり指にも施されている。
黒髪の女性は、拳を握る。
黄金の拳が龍頭に代わった。
来る!
私は、両腕を腹部の前でクロスして衝撃に備えた。
キュィーーーーーーーン
龍頭が甲高い雄叫びをあげて突進してくる。
ド、ドドドォォォォーーードッバーン!
龍頭が私のクロスした腕にあたり私の後方に衝撃波は起きる。
衝撃波の影響で私の周りの空間が次々と破壊さる。
代わる代わる時の場所が現れては、滅び、現れては滅ぶ。
私は、知っていた。
この技を…
「ハキちゃん、すごいね。」
そう言って頭を撫でてくれるお姉ちゃん。
すごく嬉しかったのを覚えている。
幼い頃から舞を舞っても誰も誉めてくれなかった。
舞を覚えることは当たり前のように教えられた。
そんなある日、一人の女の子が私の前に現れた。
異国から来た女の子。
私より年上だった。
忍者のような洋服を着ていた。
私は、聞いた。「お姉ちゃんは、舞わないの?」と。
するとお姉ちゃんは、「私は、武道、龍武道の使い手なの。」と言って今と同じように正拳突きの構えをした。
お姉ちゃんの腕に黄金のプロテクターが現れ、それが、龍と成り私に襲いかかった。
目の前に龍が口を大きく開けて迫って来る。
私は、びっくりして目を瞑った。
あれ?
何も起きない?
私は、眼を開けた。
鼻先に黄金の龍がいると思った瞬間、私の周りの世界だけが彼方此方に巡る巡る。
私は、呆気に捕らわれた。
周り世界が代わるのが終わり元の次元に戻ったときに私は、「お姉ちゃん、すごい!」と燥いだのを思い出した。
確か、お姉ちゃんの名前は、イ…イ、リ…
イリスだ。
イリスお姉ちゃんだ。
天と地を結ぶ橋…虹の女神、そして疾速神。
私が敵わないはずだ。
私が物思いに更けている隙に何者かが私の脇に迫り来ていた。
間に合わない。
最初のローブを着た化物が私の脇腹めがけ斬激を繰り出している。
避けれないと判断した私もローブの化物めがけ斬激を放った。
「ウ、ウ、ウーーー!」
何かが、私とローブの怪物の斬激の間に飛び込んだ。
え?
もう一人のローブの化物が私を庇って最初のローブの化物の斬激を身体で受け止めた。
どう言う事?
「ハキ、現実を、よく見なさい。」
イリスお姉ちゃんが言った。
現実?
私が放った斬激は、ローブの怪物の額をとらえていた。
ローブの化物が繰り出した斬激は、新たなローブの化物の背中をとらえている。
ローブの化物の額に罅が入る。
罅の隙間から蒼白い閃光が漏れる。
罅が額から身体に広がり身体の表面が剥がれ落ち蒼白い閃光が身体全体から伸びた。
ボッン!
ローブの怪物の身体がバラバラ弾け飛んだ。
肉片が顔に飛び散る、
弾け飛んだ跡に誰かが立っている。
…
額から血が流れている。
え?
え?
私を庇ったローブの怪物の背中からも蒼白い閃光が溢れ出している。
ボッン!
私を庇ったローブの化物の身体も粉々に弾け飛んだ。
足に大量のドス黒い血が飛び散った。
粉々に弾け飛んだ怪物の中から女の子が現れた。
「セギョン…」
私を庇ったセギョンの背中から血が…
私のせいだ…
「セギョン。」
私は、跪きセギョンを抱きしめる。
セギョンの背中に手をかざして私の生を分ける。
セギョンの背中の刀疵が塞がっていく。
ガッチーーーーーーン!
背後で金属音が響く。
振り向くとイリスお姉ちゃんが、白色ドレスの女性の斬激を受け止めている。
私に放たれた斬激だった。
白色ドレスの女性の額には角が生えている。
気が付くと私達の周りに人々が集まっている。
多くの女性に多くのピエロが集まっている。
何十人?何百人?
人々が増殖していく?
集まった人々の額に角が生え顔が変化していく。
「
ピーーーーン!
増殖している
数百体の
空間が裂け何かが現れる。
「時間がかかってごめんなさい。」
裂けた空間の向こう側からインナさんとアンナさんが現れた。
「人間ごときがこの神の創りだした聖域に入れるはずがない。」
「お前らは、何者だ。」
此処の地下空間全体から声が聞こえた。
「私たちは、仁王。阿吽一対の神将様の守護神。」
アンナさんが言った。
「神が創りだした聖域?」
「元神の間違えだろ?」
「貴様が、12神将の1人か。」
「そうだ。」
「さて、最後の聖戦の続きを初めようか。」
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