第4夜2020/12/10 異世界トリップの巻
異世界といってもファンタジー世界ではありません。いやそれも含むかも。
個人的には本を読んでいて、とりわけ映像視覚がない活字媒体での場合が多いのだけど、とにかく大興奮で眠れなくなるような(いつまでも子供なので)、凄い別世界へ連れて行かれることがあります。
人によっては映画とか漫画でそうなるでしょう。わたしも漫画ではしょっちゅうです。次々と続きの巻を追っちゃいますね。
これはある意味でブレヒトやロシアの一派が言っていたような、異化効果ではないかと思うのです。
普通に殺人事件が話の筋立てのミステリを読んでても、え?え?なにこれなにこれスゴスギ!とかなることもしばしば。
多分この世から異界に精神は飛翔していると思います。
こう考えた時に、ドストエフスキーが顕著ですが、映像と違って(映像でもやれるかもしれないしあるかもだけど)活字媒体というのは、作中時間的に大丈夫ってくらい長々と話してたり(時には一人で)、まぁ実時間を考慮しない異界が発生してるんですよね。
勿論、それを逆手に取った実時間通りに丁寧に展開するっていう実験作もあるワケですが。
あの週刊連載で何週続いても試合が終わらない、みたいなって言えば分かりやすいでしょうか。一球投げるのにどれだけ引っ張るのかっていう。
そういう作品世界での時間的マジックってあるんですよね。
まぁドストさんの場合は、あれを口述筆記でしゃべりっぱなしだったのが、おかしすぎて異次元ですけど。
でも本の場合わたしは、科学本とかでも意味不明に興奮してトリップしちゃう時ってあるんですよねぇ。現実感覚を喪失して、その読書体験に浸ってるっていう。
そうはいってもやることは毎日やるんですけど、そういう読書をしちゃうと予定って結構狂うんです。
小説に限らず、今や面白い活字が追えればいいのかってくらいの活字中毒なのかもしれません。
他の人はもしかしたら、本ってまだ終わらないのかいつまで読まなくちゃいけないんだろう、って思いながら残りのページを確認してるかもしれません。
わたしは後どれだけって確認しながら、スゴく面白い本ならもう後これだけで終わっちゃうの、これでどう決着つけるのってハラハラ具合が増大するんですよね。
また本っていつでも閉じたり続きを始めたり出来るのも大きな利点なのかなって。映像って一気に一つを見るのが前提だと思うんです。
でも本は栞を挟んでいつでも好きに自分好みに進めていけます。どこでもセーブ出来るRPGが主流になるみたいな感じでしょうかね。
で、どうしてもわたしは器質的に駄目なのが映像です。これは面白いとか好きじゃないとかじゃなくて、そわそわする性質なので仕方ないんですよ。
後何分だなとか、まだ終わらないのかなぁって思っちゃって、手とかが手持ち無沙汰になるしじっとしてられないんです。
無性に画面を見てると歌が歌いたくなったり、指をポキポキやっちゃったり、マウスを動かしたくなって仕方がなくなっちゃいます。
楽しく見てて好きな作品でもそうなんだから、もうこれは困った話なのですよ。
で、少し逸れた話かもしれませんけど、ファンタジーとかヘヴィメタルみたいな音楽って、世間の人が敬遠する人が多いのって何でだろうって考えてみたんです。
もしかして、わたしたちオタクが現実生活よりフィクションを見たり読んだりする方が好きなように、彼ら彼女らはそういう非現実的な有り様を見て、自分たちが地に足のついた生活をしているが故に馬鹿馬鹿しいと思うんじゃないでしょうか。
だから逆に平凡なラヴソングの方が、悪魔とかドラゴンとかが題材より売れるんじゃないかなって。
だからかなのか、わたしは生育歴も関係して一般的なラヴソングアレルギーなんで困ってたんです。
学生の時のずっと聴くくらい好きだった曲が、ケロロ軍曹の一番最初のオープニングテーマだったのもそれでかも。
だからロックを「発見」して世界がガラッと変わっちゃいましたよ。何でもあるもの。そうすると、日本でも一般的でない音楽にはそういう変な題材もあるんだと気づいたりもして。
このアレルギーの話は今後また詳しく語るかもしれません。放置になるのかもしれませんが。
とにかくですね、ゴシック・ロックとか聴いててもそうですけど、優れた作品を読むと言葉一つだけでトリップ出来るんだなってことです。
言葉の並びに感動しちゃったりするし、本読む気力がない時も活字を求めてたりしますからね。
はい、だから色々最近はこうして発表する小説なんかは少し読みやすさも考慮しないとなって、個人的な体験も重なって切実に感じています。
分量もあんまり多いと嫌気が差すだろうから、「小春の時雨日和」もちまちま改訂作業として分割版も投稿しちゃおうと思ってます。
現在2話までやってますんで、そちらもどうぞ。
皆も色んな作品を読んで、現実なんて忘れてトリップしちゃいましょう。
出来るだけトカトントンをしないようにするのがコツかもです。
こんな世の中だからこそ娯楽が必要です。文学もまた必要な時もあります。楽しい読書をしちゃいましょう。
丸谷才一さんの本のタイトルを借りるなら、快楽としての読書、ですね。
今夜の1曲 The Beatles "Nowhere Man" (1965)
はなの一言「ノーウェアはナウヒアでもあるのですね。どこでもない所にトリップしちゃう夢のような体験を」
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