第6話自分は何人いるの

退院して8日の朝・・・・・


「洋子、今朝は目玉焼きと納豆でいいでしょ」


うそでしょ。洋子は思った

じゃ何??次は洗濯もの??


「いいよー」


「ちょっと待っててね」


「・・・・」


朝ご飯を持ってきながら母親は


「ハイご飯。洋子、昨日ね洗濯ものが無くなっていたのよ。なんか気持ち悪いよね」


やっぱり、どうしたんだろう。

いや看病疲れだろう???それともボケ??

そんな年でないし・・・・


「洋子、誰か来たか見ていない??」


次は家族で外食の話???


「お願いね、ところで治ったらどっかにみんなで美味しいもの食べに行こう・・・ね」


「うん・・・」


やっぱりそうだ。どうしたんだろう??


洋子は、明日もう一回、同じだったら言ってみようと思った。





退院して9日の朝・・・・・


「洋子、今朝は目玉焼きと納豆でいいでしょ」


やっぱり


「いいよー」


「ちょっと待っててね」


「うん」


朝ご飯を持ってきながら母親は


「ハイご飯。洋子、昨日ね洗濯ものが無くなっていたのよ。なんか気持ち悪いよね」


やっぱり!!!次は外食だ


「洋子、誰か来たか見ていない??」



「ところで治ったらどっかにみんなで美味しいもの食べに行こう・・・ね」


思い切って洋子は・・・・


「お母さん、それ昨日も言ったよ」


「・・・・・・・・」


無言のまま母親は部屋を出て行った。


それは、次の日も、そして次の日も繰り返された


そして、病院に最終検査に行く日

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