すずめの涙
可愛いね 愛しているよ
浮いた言葉と乾いた笑顔
近づく指先が怖くて
背筋が震えた
けれど縫い止められた脚は
逃げることを許さないから
貴方はあたしを捕まえる
浮かべた笑顔そのままで
あたしの怯えも知らないふりで
最後落とした啼き声は
貴方に届いていたかしら
声は奪われ 鳥籠の中
あたしは貴方を見つめるの
瞳の涙を知って欲しくて
けれど駄目ね
零れた涙は貴方には届かない
落とした涙は小さく微かに
膝元で跳ねるだけ
誰にも知られず消えるだけ
だって貴方の笑顔は
あたしなんて見ていないものね
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