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9月14日


 引き続き、登場人物リストの書き込み作業。よく小説の書き方指南書などで「(作中で使っても使わなくても)登場人物の履歴書をつくっておこう」というアドバイスがあります。私も数年前から簡単な履歴書めいたものをプロットの段階で用意しています。

何年に生まれ、その年にはどんな歴史的出来事があり、どんな家族構成で、どんな幼少期を過ごしたか、仕事はなにか、収入はどれくらいか、どこに住んでいるか、などなど。

 一作ごとにアプローチを変えているのですが、毎回、キーになる質問を設定して、各キャラクターの答えを用意しています。たとえば「好きな映画はなにか」「一ヶ月の休暇と百万円があったらなにをするか」「今の法律のおかしな点はどこか」など。

当初は履歴書なんかつくって意味があるのか、と思っていたのですが、くり返しやっていくうちに意義というか効果に気づいてきました。作中に描かないことでも人物について考えることで、人間にふくらみのようなものが出てくる気がします。どう行動させるか困ったときに「こういう人なら、ここでこういうことをやりかねない」と思いついたり、推敲しているときに「この人はこの場面でこんなことをやらない」と修正できる。

今回は科学に対する各キャラクターのスタンスの違いが軋轢を生み出したり、物語を進めるエンジンにしているので、どういう経験があって今の科学観になったのかはしっかりさせておきたい。

人物の掘り下げ作業をして、必要な資料にあたりをつけて、本日の作業終了。

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